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2011年6月4日に発売された、「魔法少女リリカルなのはViVid」のプレミアムパック。 E.G.O. E.G.O. EXPP0021天真爛漫少女“高町 ヴィヴィオ” EXPP0022“高町 ヴィヴィオ” 大人モード 戦闘態勢 EXPP0023変換資質“リオ・ウェズリー” EXPP0024空戦魔導師“高町 なのは” EXPP0025特救魂“スバル・ナカジマ” EXPP0026天真爛漫少女“高町 ヴィヴィオ” EXPP0027“高町 ヴィヴィオ” 大人モード 戦闘態勢 EXPP0028変換資質“リオ・ウェズリー” EXPP0029空戦魔導師“高町 なのは” EXPP0030特救魂“スバル・ナカジマ”
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何処かで誰かが悲鳴を上げている。 ― 魔法士【sorcerist】 ― それは、悲劇で ― モールド【mold】 ― あるいは、不幸で ― 魔族【The malevolent】 ― 世界は、きっと優しくなんかなくて 「クソッタレッ今日だけで4件だぞッ! 一体何が起こってるッ?!」 人は、きっとそんな世界に翻弄されるしかなくて 「シャロン……あなたも感じるの?」 「にゃぉ」 「……不思議な気配。魔族…違う。もっと、温かい……」 ……それでも 「おぉぉおおおおぉぉぉッ!顕(イグジスト)ォォッ!」 それでも、この世界には 「……流石に……こいつはもうだめかもしれないな……」 悲劇を、不幸を、優しくない世界を、変えようとする者がいて 「いくよッレイジングハート!」 <All right.> 「バルディッシュ、一瞬で決める!」 <Yes,Ser> あるいは、それもまた世界が望んだ物語で 「冗談だろ……オイ。ありゃなんなんだ、俺は夢でも見てるのかね」 「い、いえ……多分、私も見てるから夢じゃないと思います……」 だからそう、きっとこの出会いも、定められた必然で 「皆さん、大丈夫でした?」 「…怪我…してません…か?」 その日、戦術魔法士(おとこ)は魔法少女(てんし)達と出会った。 魔法少女リリカルなのは x ストレイトジャケット 「ショウジョタチのツバサ ~The Angels~」 単発総合目次へ その他系目次へ TOPページへ
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突如として現れた巨大なロボット――。 それによってミッドチルダの平穏は壊された。街は崩れ落ち、人々は逃げ惑う。 多くの生命が犠牲になり、生き残った者もその人生を狂わされた。 それに比べれば些細なことなのかもしれない。 だが、この少年もまた不条理な出来事に、日常と平穏に別れを告げることになる。 それはミッドチルダに『風』が吹き荒れた日から遡ること2日前のことであった――。 魔法少女リリカルなのは―MEOU 第一話―B「少年は牢獄に己を失う」 「僕は……何でこんな所にいるんだろう……。」 少年、『秋津マサト』は呟く。答える者はいない。 声は薄暗い個室の壁に吸い込まれ、再び静寂が支配した。 どれくらいこうしているのか――時間の感覚はとうに無くなくなっている。 電灯も窓もない、薄汚い個室は牢屋と呼ぶ方が適切かもしれない。 今朝も普通に家を出て、普通に学校に通う――退屈な日常のはずだった。黒服の男に背後から何か嗅がされるまでは。 目が覚めた時には、既にこの牢屋の中だった。 「出せぇー!!ここは何処なんだ!何で僕を閉じ込めるんだ!?」 マサトは抗った。拳から血が滲むまで扉を叩き続け、喉が掠れるまで叫んだ。 何時間そうしていただろう。 扉の向こうから物音がする。 「父さん!?母さん!?」 覗き窓から辛うじて見えるのは、朝に家で挨拶をした父と母の姿。 「ここはどこなの!?閉じ込められてるんだ、外から何とか開けられないかな?」 必死で訴えても、答えは返らない。 父は目を逸らし、母は俯いて泣いていた。 「どうしたの?なんで何も言ってくれないんだよ、父さん!母さん!」 「御両親は答えられないようだ。代わりに私が教えてあげよう」 声の方に目線をやると、それはマサトを眠らせた男と似たような黒服の男だった。 濃色のサングラスで目は見えないが、全体的に痩せ型で頬も少々こけている。 「君は御両親の本当の子供ではない。御両親には15年間、君の養育をお願いしていたのだよ」 マサトは驚きに声を出すことさえできなかった。 「本当なの!?父さん!」 「たった今、月々の養育費とは別の礼金をお渡ししたところだ」 父は答えようとはしない――それが答えだった。 「父さんは……僕を売ったの?」 違う、と言って欲しかった。しかし、感情とは別に、そんな答えは最早望めないだろうことも解っていた。 それならば、せめて沈黙を守って欲しかった。 だが――父の答えは残酷だった。 「最初から……契約だったんだ。私達は元々家族なんかじゃなかった。十五年間、お前を育てる契約――それが終わって本来の関係に戻っただけだ」 「そんな……」 身体から力が抜けていく。 たとえ監禁されていても、両親が警察に連絡してくれる。必ずあの家に――ずっと暮らしてきた家に帰れる。 そう信じていた。 でも、そんな淡い期待は呆気なく砕けてしまった。 もう――自分には帰る場所は無くなってしまったのだ。 「それでは……私達はこれで……」 父が男に会釈して去っていく。 「待ってよ!!母さん、母さんは僕のことを……」 「ごめんなさい……マサト……」 そう言って、両親は視界から消えていった。 母は泣きながら父に肩を抱かれて歩く。二人はマサトを振り返ることすらなかった。 「父さん……母さん!」 マサトは扉の前に崩れ落ちた。立ち上がる気力もない。 外では男が何か話している。 「沖、これは何の真似だ?ここまで連れてきて……俺に何を見せたいんだ?」 「久しぶりに再会した旧友に、随分冷たいな……ナカジマ」 それはさっきの男とは違う声だった。他にもいたのだろうか。 「旧友だと……?ふんっ。それを言うなら"共犯者"だ」 それさえも、もうどうでもいいことだ。 そして、そのままマサトの意識は闇に溶けていった。 何故、自分はこんなところにいるのか――。 『ゲンヤ・ナカジマ』の問いに答える者はいない。 自分で決めたこととはいえ、そう思わずにはいられなかった。 起動六課隊長、『八神はやて』と早めの昼食を共にし、店先で別れた直後にゲンヤは背後から声を掛けられた。 「久しぶりだな……ナカジマ」 振り向いた先に立っていたのは、かつての彼の同僚である沖功であった。 とはいえ、十数年近く顔も見ていなかったが、その声と鋭い目つきは変わっていない。 「お前……沖か?」 彼は黙って頷いた。 本当に久しぶりの再会のはずなのに、ゲンヤにはとても懐かしさは湧いてこない。 「お前が俺に何の用だ?」 「用が無ければ昔の同僚に話しかけるな――と?」 ゲンヤは黙って沖の胸倉を掴んだ。 この男は昔からこうだった。いつも意味深で何かを隠している。目的の為には人を利用することを厭わない。 だが、それも私欲の為でなく、組織の為だったから彼とはやって来れた。 そう、十五年前までは――。 「ここでは人目に付く。ついて来い、ナカジマ。お前の――いや、俺達の過去の清算だ」 沖は動じることもなくそう言った。 またもや意味深な言葉だ。が、ゲンヤは黙って彼に従った。 そうせざるをえない理由があったからだ。 「いいぜ。どこでもついて行ってやる」 沖に連れられ、聖王教会の遥か地下へと降りていく。 「こんな地下に何があるってんだ?」 「お前に見せたいものがあってな。それに、彼女もお前に会いたがっているぞ」 「彼女だと?」 沖はそれ以上は答えようとはしなかった。 何にせよ、今は沖に従うしかない。 地下へ降り、無機質な廊下を歩くこと数分――。急に広い空間へと抜ける。 そこは多くの機材が置かれ、スタッフらしき人間が忙しなく働いていた。 その中心には―― 「ゼオライマー……!」 50mはあろうかという巨大なロボットが立っていた。 それはゲンヤと沖が袂を分かった原因。 忘れたくとも忘れられない存在。 「どうだ、ナカジマ。懐かしいだろう?」 「まったく……懐かしくて涙が出そうだ……」 それはゲンヤと沖の罪の証。 十五年前、これに乗って逃げてきた男は、もうこの世にはいない。 そしてせめてもの罪滅ぼしとして――。 そこまで考えて、ゲンヤは沖の言葉の意味に気付いた。 「まさか……過去の清算ってのは……!」 「そうだ。それはおそらく、もうじき始まるだろう」 これが真実ならば大変なことになる。 いや、聖王教会の地下に"こんなもの"が存在する時点で、既に次元世界全てを巻き込むことになりかねない危険が迫っている。 そう上は考えているのだ。 「彼女がお前に挨拶したいそうだ」 沖はゲンヤの後ろに視線を促す。 そこには娘と同じ位の年齢の美少女が立っていた。 その顔には見覚えがある。かつてほんの僅かな期間だが面倒を見た少女の面影――。 「お久し振りです。ゲンヤおじ様」 そういって彼女は頭を下げた。 戻る 目次へ 次へ
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【名前】ザフィーラ 【出典】魔法少女リリカルなのはStrikerS 【声優】一条和矢(「魔法少女リリカルなのは」の高町士郎) 【種族】守護騎士(ヴォルケンリッター) 【性別】男性 【年齢】25歳程度(外見年齢) 【外見】 褐色の肌に白髪、筋骨隆々の巨躯。 【性格】 寡黙で無骨な性格。一歩引いた愛想の無い面が目立つが、それは仲間や家族の為に、常に最前の行動を取るためにしている事。 【原作での設定】 ロストロギア・闇の書が搭載する防御プログラム、ヴォルケンリッターの一員で、盾の守護獣と呼ばれる。当代の主、八神はやての家族を死なせない為、仲間達と共に闇の書を完成させようとしていた。その過程でなのは達と出会い、戦いの果てに仲間となる。その後ははやてと共に時空管理局に所属、10年後の機動六課では無所属の自由な戦力として活動している。 明確な参加時期は、初登場作品の書き手に一任。 【面識のある参加者】 名前 呼び名 関係 高町なのは(A s) 高町 激戦を経た仲間 高町なのは(sts) 高町 10年来の仲間 フェイト・T・ハラオウン(A s) テスタロッサ 激戦を経た仲間 フェイト・T・ハラオウン(sts) テスタロッサ 10年来の仲間 八神はやて(A s) 主はやて 大事な家族 八神はやて(sts) 主はやて 大事な家族 ユーノ・スクライア スクライア 10年来の仲間 クロノ・ハラオウン ハラオウン 10年来の仲間 シグナム シグナム 長い年月を共にした同胞 ヴィータ ヴィータ 長い年月を共にした同胞 シャマル シャマル 長い年月を共にした同胞 スバル・ナカジマ スバル 同じ部署に所属する仲間 ティアナ・ランスター ティアナ 同じ部署に所属する仲間 エリオ・モンディアル エリオ 同じ部署に所属する仲間 キャロ・ル・ルシエ キャロ 同じ部署に所属する仲間 【技能・能力】 能力名 内容 魔法 自身の魔力を用いて起こす技能。特に古代ベルカ式の防御系に優れる。 獣化 蒼い体毛の大きな狼に変身する能力。また消耗の少ない小型犬に変身する、「こいぬフォーム」もある。
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魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER 第九話「対面」 「じゃ、よろしく頼むぜ。できるよな?」 「ちょいと時間はかかるけど早めに仕上がるように努力してみるニャ。」 会話するジェイと武器屋のアイルー。彼等の隣にあるテーブルには大きな袋と二本の刀。ジェイは頷くと立ち上がる。 バン、と紙幣をテーブルに叩きつけるように置いていく。札束が三つと小銭が数枚、ジェイはそれを見てちょっと名残惜しそうな顔をしていた。 「まったく、ここに来ても金を払わなきゃならないのかい?」 「商売だからニャ。それにシャーリーさんに設備の使用費も払わなきゃいけないからニャ。」 「ご苦労なことで。」 ドアに向かって歩き、傍らに置いてあった太刀「鬼神斬破刀」を背負うとさっさと部屋から出て行く。このあとは確かミーティングだかなんだかがあるはずだ。 おそらく上からクエストでも受けたのだろうか。どんな相手と戦うのだろう、不安によく似た期待がこの胸を満たす。 歩きながらアイテムポーチの中身を確認して、会議室の前に立つと勢い良く扉を開けた。 会議室に入るとしかめっ面をしているはやてが目に入った。横には同じようなしかめっ面をしたフェイトとなのは。次にドクとゼクウ。 「はやて、これでハンター組揃ったぞ。用件を聞かせてもらおうか?」 「とりあえず、これを見て欲しいんよ。」 ゼクウが口を開くとはやては三枚の紙を取り出し、デスクに置いた。三枚の紙には別々の依頼内容が書かれており、場所もさまざま。 依頼の紙にクリップで留められてあったのはその場所に出現したモンスターの写真。どれもこれも見覚えがあってむしろ懐かしい。さて、どうやって写真撮って生き残れたんだ? 一つは地上本部地下施設に巣食ってしまったモンスターを討伐せよ。のことだ。続いてモンスターの写真に目を通す。 白い身体に伸びる首、目、鼻がないヒルのような不気味な顔を持つ飛竜、「フルフル」。 担当する小隊はライトニング。つまりフェイト達の小隊とともに狩りにいくというわけだ。後ろを向き紙をヒラヒラするとゼクウが頷いてから取る。 「では、このクエストは俺が受けよう。」 「よろしくお願いします。」 「うむ。」 二つ目は保護施設と監獄の防衛と言い終わる前に紙をドクに取られてしまった。代わりにドクが声を出して内容を読み上げる。 そしてそのクエストの紙に留めてあった写真を見ると白い鎧のような甲殻を持った竜が口から熱線を吐いて施設を破壊している場面が写っていた。 こいつは鎧竜、「グラビモス」だ。何故かドクの拳に力が入っているが特に心当たりはないためなにも言わないことにした。 担当小隊はいないらしく、かわりにそこの保護施設で更正プログラムを受けている者達が協力してくれる、と書いてある。 「このクエストは私が受ける。」 「はい、わかりました。」 「……あぁ。」 ドク、何か因縁でもあるのだろうか? さて、三つ目だ。こいつは…地上本部の周囲に巣食ったモンスターの討伐だ。 写真にはジェイが良く知っている相手が写っていた。橙色と青色のまだら模様をしていたその姿は四年前、雪山で見た飛竜。 ジェイは眉を顰めて写真をじっと睨みつける。どちらにしろ残ったのはこのクエストだから受けなくてはならない。 その相手、轟竜「ティガレックス」。 担当小隊はスターズ。なのは達の部隊、これは何かの因縁というやつだろうか?なのはを見るとやはり表情が暗い。確かヴィータもこの小隊だっけか。 「ということは俺がこのクエストを受けることになるな。」 「よろしく……お願いします。」 「こちらこそ頼む。」 全員の様子を伺ってからはやては立ち上がって口を開く。 「早速で悪いけど、一刻の有余もないんや。出撃するで。」 「「「「「了解……!」」」」」 五人の声が重なり、皆は会議室を出て行った。 会議が終わり数時間後にハンター組の一人、ドクは保護施設に降り立った。 「じゃあがんばってくださいね。ちゃんと、生きててくださいよ?」 「努力はするさ。」 アルトが操縦するヘリがドクを降ろすとプロペラを回し、空中に飛立つ。ヘリを見送り、あたりを見回してみる。 そこは写真で見る景色とはかなり違っていた。半壊した施設に何かで溶かされて穴があいている壁。これもグラビモスの仕業と考える。 おそらく溶けた跡が残る壁はグラビモス自慢の熱線でやられたのだろう。とにかく酷い有様だ。 気付けばドクの前に薄い紫の髪の少女が立っていた。 「あなたがドクさんですか?」 「本名ではないがね。まぁ、そうだ。」 「私は……」 「ふむ、ギンガ・ナカジマでよかったかな?」 「え?どうして私の名を……。」 「ミーティングで名前を聞いた。それだけさ。」 「はぁ……。では、こちらへどうぞ。」 自己紹介というよりかはただの名前の確認をするとドクはさっさと案内された道を歩く。もちろんギンガとは会話せずにただ歩く。 ギンガは時々不信感が溢れた視線でドクを見るがはやてが紹介してくれた人物なのだから何も無いと思った。というか、そう信じたかった。 一方のドクは表情に焦りが混じっている。歩調もギンガよりも速くなっているし辺りを何回も見回している。とある箇所に出ると歩を止めた。 視線の先には七人の少女。その姿を見た瞬間ドクの雰囲気は少しだけ和らいだ。だが少女達の表情は暗い。ドクは少し間をおいてから話しかける。 「やぁ、君等が現地の協力者かい?」 「あなたは……?」 まず最初に声を出したのは隻眼の少女、チンク。チンクもそうだが皆がドクに向ける視線は殺気にもよく似た警戒があらわになっている。 「ここら辺に出現したモンスターを狩りに来たハンターさ。」 「ということは貴方が八神はやての言っていた助っ人?」 「そういうことになるな。しかし、君等は武装していないようだが。」 チンクの隣にいた茶色で長髪の少女、ディエチが次に口を開ける。 「私達は、あくまでここに保護されてる身だから。」 後ろを向き、ギンガを見る。ギンガは「こればかりは……」とどこか辛そうな顔で視線を逸らした。ドクは彼女の言葉を理解した。ここにいる彼女達は保護下に置かれていて武装が 許されていない。たとえグラビモスが攻めてきてこんな状況でもだ。ふと想像してみる。ここにいる魔導士は全滅?見る限り修理しているものしか見当たらない。 「ここの戦力はどうなってるんだ?」 「ほぼ全滅です。」 「では聞こう、ギンガ。モンスターと戦ったときどんな状況だったかね?」 「はい、それは……」 ギンガの口から戦ったときの状況が話される。白い龍がいきなり現れて施設を破壊。口から発せられた熱線により人や壁が溶けて、まさに地獄絵図のようだった。 応戦し、なんとか倒すことに成功したが次に現れたのは白い龍と同じ姿で黒い甲殻をもった龍。恐るべき甲殻の硬さで魔導弾が中々効かずに苦戦。 右目を潰したが怒りが爆発。突然身体から発したガスで付近のものが火だるまになってしまったという。 撤退して今に至る……というわけだ。 一つ気付いた。狩りにいく相手はグラビモス。しかしただのグラビモスではない。黒い甲殻を持ち、かなりの防御力を持つ『亜種』だ。 戦力には期待できない。というよりは一人で戦うことになるのと等しい。……だとしたら?また少女達へ視線を移す。 ………ここは一人で戦うしか選択肢はないようだ。 夜、ドクは自室で刀を研いでいた。刀は自分の顔が見えるくらいに、実に美しく、そして切れ味も抜群になるほど研がれていたのだが彼はその行為を止めない。 自分でもわからないが作業をやめようという気になれない。研いでいるのは狩った相手から武具の素材を剥ぎ取る時だけに使用するナイフだったのだが何故か、 彼は研がないといけないような気がしていた。不安を紛らわす…というのも少しだけあるのだが。ライトの明かりが反射するほど光っても、止めない。 刃と砥石が擦れ合う音が部屋の中に響く。 自分が必要ないと言っているのに結局少女達全員と自己紹介するハメになっていろいろと説明していると次第に頭の中に何かが渦巻いていく。 「まぁ、私には関係ないと思いたいがね。」 ヒュン、と投げると数回転、落下して机に刺さる。次にアイテムボックスから自分がよく使用している防具「暁丸・覇」を取り出して装着しはじめる。 右手に籠手をつける前に鉤爪の付いたグローブをつけるのも忘れない。握り拳を作ると指の部分に通っている赤い線が発光、手の甲にある金色の宝石も光り始めた。 アイテムポーチに入れられるだけのアイテムを詰め込み、兜を被ろうとした瞬間ドクは何かを耳にした。 始めは雷鳴かと思った。しかしテンポが一定だ。 重く響く雷鳴によく似た音は近くなる。 途中で何かが崩れ去る音と、唸り声。 ドクは確信する。 「やれやれ、どうやら徹底的に潰さないと気が済まない性質らしいな…!!」 兜を被り、ガンランス「ディープフィッシャー」を取り出すと自動ドアが動く前に思い切り開け、走り出していった。 番外その6「グラビモス」 ふむ、たまにはこのドクが説明するとしよう。 グラビモスは竜盤目 獣脚亜目 重殻竜下目 鎧竜上科 グラビモス科 で別名は鎧竜。 主に火山域に住む大型の飛竜で成長にとともに外見が大きく変化するため、幼体はバサルモスと呼ばれ区別されているのだ。 …変える必要あるのかね? ほぼ全身が強固で耐熱性に優れた甲殻に守られており、短時間なら溶岩の中を潜行しても大丈夫なほど。便利なものだね。過熱した体を冷ます為に、 新陳代謝の一環として爆炎を体外に吐き出す。実は熱線も、体内に溜まった熱を排出することで形成されるんだ。以上の能力が一段と強い個体は甲殻が黒色化。 バサルモスは毒ガスを噴出するが、こいつは睡眠作用のあるガスを噴出する。どう変わったのかはまだ解明されていないのだが……。ククク、いつか解明してみせるさ。 どうやらバクテリアとの共生のおかげで鉱石までも食料にしてしまうらしいな。そのバクテリアの活性化のため、紅蓮石や爆発性のある火山岩を好んで食す。 原色の甲殻は灰色で亜種は黒…とされているが原種の黒化個体で厳密には亜種とはいわない。ようするにバサルモスからの成長過程で黒くなったというべきかな? ……そういえばどこかの誰かが生身で溶岩の中から出てきたのを見たことがあるぞ。人なのに。 戻る 目次へ 次へ
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崩落 の ステージ(後編) ◆HlLdWe.oBM 今から思えばこの時誰もが油断していたのだろう。 思いもかけぬ再会に心が安らいで気が緩んでいたのだろう。 だから誰も気付く事ができなかった。 一途な願いを叶えるために殺人を犯す小さな魔導師の存在を。 小さな魔導師に仕える炎の魔人を。 主命により魔人がもたらす地獄の業火を。 ▼ ▼ ▼ 「ルル、ありがとう」 シャーリーはこれから死にゆくものとは思えないほど安らかな表情を浮かべていた。 これも咄嗟に掛けたギアスのおかげか。 本当なら再びシャーリーにギアスを掛けたくはなかった。 だがこうするしかなかった。 突然起こった地震並みの揺れとアニメイト全体の倒壊。 降り注ぐ瓦礫の雨と押し寄せる炎の波。 どれも防ぐ事など出来なかった。 魔眼を備えようともこの身は人の域を出ない。 金髪の男や赤いコートの男と同じように人の域を超えた怪物には為す術がなかった。 一瞬で瓦礫は隙間なく降り注ぎ、炎は身体を舐め尽し、こうして思考しているのが不思議なぐらいだ。 唯一出来た事はシャーリーをしっかりと抱きしめてやる事だけ。 『幸せな夢を見ろ』という最期のギアスを掛けたのはその時だ。 これから死ぬ運命を変えるのは不可能だった。 だがせめて死ぬ瞬間までは辛い思いはしてほしくなかった。 もうシャーリーは十分辛い目に遭ってきたのだから。 それにしても、本当に嬉しそうな顔だ。 たぶん俺に告白する夢でも見ているのだろうか。 ふとそんな気がした。 だがシャーリーすまないな。 夢の中の俺なら君の想いに答えてやれるだろう。 だが現実の俺はそれには答えられない。 なぜなら俺が愛する者は唯一人あいつしかありえないからだ。 こんな状況だからこそ改めて分かる事もある。 自分がどれだけあいつの笑顔や行動に救われてきたか。 もうあんな風に口喧嘩する事も笑い合う事もできないんだな。 ――好きだったんですね、その人のこと。 ああ、そうだ。 俺はスバル・ナカジマという女性を心から愛している。 だがその想いも死んでしまえばそこで終わりだ。 「最期にあいつの顔、見たかったな……」 ▼ ▼ ▼ ルーテシア・アルピーノはヴィヴィオを背負って聖王のゆりかごへ向かっていた。 なぜ北へ向かっていたはずのルーテシアがこのような状態になっているのか。 それにはいくつかの理由があった。 【放送前後のルーテシアの動向】 元々ルーテシアの目的地はC-9にあるスカリエッティのアジトであった。 目的は本来ならば生体ポッドの中にいるはずの母メガーヌ・アルピーノがいないという証言の確認。 誰にも会わないままアジトに辿り着き、さらに見慣れた場所ゆえに万事順調に進んで第二回放送前には目的は果たせた。 その結果、メガーヌの姿はどこにもない事が判明した。 これで転送前のプレシアの発言と天上院明日香の発言の裏付けが取れた。 しかしだからと言ってルーテシアの行動方針に変更があるわけではない。 あくまで全ての参加者は別々の世界から連れて来られたという事を再認識しただけだ。 それから行われた第二回放送に関してはプレシアからの提案以外は特に興味を引かれるものはなかった。 敢えて言うなら取引を交わした一人ブレンヒルトの死亡だが、それも最初から乗り気でなかったので特に思う事はなかった。 そして放送後ルーテシアは周辺の探索に勤しむ事にした。 ルーテシア自身の体力は全参加者から見れば下位であるが、それを補う足としてマッハキャリバーというデバイスがある。 このデバイスのおかげで行動距離はずいぶんと広くなっているのだ。 目下ルーテシアの探しているものは大きく二つに分けられる。 一つはキース・レッドに頼まれているキース・シルバーや『ベガルタ』『ガ・ボウ』の情報。 だがこれはそもそも乗り気ではないので正直どうでもいいとさえ思っている。 そしてもう一つこそ本命、つまりイフリート以上の戦力の確保。 確かにイフリートの力は並みの参加者にとっては脅威となるだろう。 だがあの剣士のように対抗できる参加者がまだいるかもしれない。 さらに召喚の際に要するタイムラグと疲労も無視できるものではない。 何よりイフリートを渡してくれたキース・レッドはもしもの時に備えて既に何か対策を講じている可能性は十分にある。 つまりイフリートの力を過信して安易に頼ってばかりはいられないという事だ。 アジト周辺に大して何もない事が分かると、ルーテシアはキース・レッドとの取り決め通り会場の北を中心に捜索しようとした。 だが森の中より市街地の方が見つかり易そうと考えてD-5の橋を渡って北西方面に向かう途中であるものを見つけた。 それはE-7の駅からA-8へと伸びる謎の線路。 地図を確認するとこの会場唯一の駅は橋へ向かう途上の近くにあったので探しものがてら少し寄ってみる事にした。 ちなみに廃墟も近くにあったが、何かあるとは思えないので寄らなかった。 そしてルーテシアは温泉に向かっていたシャーリーを発見した。 この時ルーテシアはある作戦を思いついた。 ――囮だ。 わざとシャーリーを生かして逃がす事で近くの参加者を引き寄せて、そこでイフリートを召喚して一掃するという算段だ。 上手くいけば殺した参加者から有能な道具が手に入る可能性もある。 ルーテシアはその作戦を思いつくと即座に実行に移した。 適度に攻撃射出魔法トーデス・ドルヒを放ちつつ付かず離れずの距離を保って追いかける。 もう既にマッハキャリバーの扱いにも慣れてきたのでシャーリーと違ってルーテシアの疲労は大した事なかった。 シャーリーは最初こそ銃撃や投擲で難を逃れようとしていたが、全て失敗に終わると後は逃げるだけに徹するようになった。 この際見た感じ役に立ちそうになかった弾切れの銃とバッグ以外は何かに使えると思って拾っておいた。 だがバッグを投げた時に零れ落ちた1枚のカードの存在にはシャーリーもルーテシアも気づく事はなかった。 しばらくそれを続けていたが、予想に反していつまで経っても誰も現れなかった。 実際は数人気づく可能性があったのだが、各々の事情で気付く事はなかった。 だからこの地獄のような鬼ごっこはかなりの間に渡って続いたが、最終的に途中で中断された。 その原因は早乙女レイにある。 【エボニーの試射】 ルーテシアがシャーリーを追いかける事を中断したのは瀕死のレイを発見したからだ。 当然ルーテシアの前を走っていたシャーリーも気づく可能性はあったが、逃げる事で精一杯だったので気づく事はなかった。 しかもレイが倒れていた場所は二人がいた道から少し離れた場所だった上にハイパーゼクターの出現もあって尚更だった。 この時ルーテシアはシャーリーが既に限界に近いと勘付いていた。 だから少しぐらい目を離してもすぐに見つかると高を括っていた。 そうして一応シャーリーが西へ向かった事だけ確認してからレイの方に向かったのだ。 ルーテシアがレイに興味を持ったのは荷物を回収する事に加えてエボニーの試し撃ちをしておこうと思ったからだ。 キース・レッドから貰い受けたもう一つの武器、黒鍵を思わせる拳銃エボニー。 質量兵器が殺傷能力に長けている事はルーテシアも知っていたが、実際の威力までは知らない。 だから本番で不覚を取らないように一度試し撃ちをして威力などを確認したいと考えていた。 そこで発見したのが瀕死の状態のレイ。 動かない的として適任な上に参加者殺害によるプレシアからの見返りも期待できる。 そして十分に近づいたところでエボニーを撃った。 レイは最期まで何をされるか分かっていないようだったが、ルーテシアには関係ない事だった。 結局片手で撃てば無理そうだが、両手で撃てば問題ないという結論に至った。 残念ながらデイパックはなかったのでここでの目的は終わった。 そしてシャーリーの行方を探るのだが、意外な事が契機で見つける事ができた。 その原因はスバル・ナカジマにあった。 【イフリートの召喚】 ルーテシアがシャーリーの居場所を見つける事ができたのはスバル・ナカジマの行動のおかげだった。 スバルが裏口で盛大にドアにぶつかった時、ちょうどルーテシアがアニメイトの前を通っていたのだ。 当初西へ向かって捜索していたルーテシアだったが、意外とすぐにシャーリーを見つける事ができなかった。 そんな時にスバルがドアに激突した奇妙な音を耳にしたのだ。 そして気になってアニメイトの中を注意深く覗き込んだ結果、店内にいるシャーリーとルルーシュを発見できた。 ちなみにこの少し前にスバルは正面の入口に来ている。 だが日の光の加減で中の様子が見えなかった事に加えて自動ドアが反応しない時点で裏口に回ってしまっている。 この時自動ドアを叩けば中にいるシャーリーとルルーシュが気づく可能性はあったが、所詮は後の祭りだ。 その時とは違ってルーテシアはドアに張り付き目を凝らす事で中の様子を把握できた。 この瞬間スバルとこなたは裏口で談笑していて死角にいて、ルルーシュとシャーリーは感動の再会の真っ只中。 それはまさにタッチの差としか言いようがないタイミングだった。 そして炎の魔人による蹂躙が始まった。 もう囮作戦も頃合いだと判断するとイフリートを召喚して外から一方的にアニメイトを破壊した。 天高く振り上げられた剛腕から繰り出される槌の如き一撃でアニメイトはほぼ倒壊。 さらに灼熱の業火を思わせる「地獄の火炎」による焼き払いで残骸は灰塵と化した。 まるで元から会場には地図の通りそんな建物は存在しなかったかのように。 そしてアニメイトを襲撃したルーテシアは北へ戻らず、さらに南下して聖王のゆりかごに向かう事にした。 その理由はヴィヴィオにある。 【聖王のゆりかごの利用】 ルーテシアが聖王のゆりかごを目指す契機となったのはヴィヴィオを発見したからだ。 あの後少々やりすぎた感を抱きながらルーテシアはアニメイト跡地で何か使えるものが残っていないか探した。 だがイフリートの力によってデイパックは中の道具諸共ほとんどが灰となり、死体も炭化していた。 辛うじて回収できたのはなぜか無傷だったトランプのカードと、少し離れた場所に落ちていて無事だったアサルトライフル。 実はトランプが燃えなかったのはアンデッドを封印する特殊なカードだからで、ライフルはこなたが落としたものなのだが、当然ルーテシアはそのような事情は知らない。 その二つは途中で拾ったデイパックと一緒に自分のデイパックに入れておいた。 そして予想外の収穫は唯一の生存者ヴィヴィオである。 なぜかバリアジャケットのような意匠の服を着ていたのでそのおかげかとも思ったが、どうも違うらしい。 なぜヴィヴィオは無事なのか。 それはヴィヴィオ自身と装備していたクラールヴィントのおかげだ。 あの時ヴィヴィオは迫り来る危機に対して無意識で「聖王の鎧」を発動させていた。 ひとたび危険が迫れば本人の意思とは関係なくその身を守るという古代ベルカ王族が遺伝子レベルで所有している自動防衛能力。 それに加えてクラールヴィントが自主的に発動させた防御魔法。 この2つの防護のおかげでヴィヴィオは無事だったのだ。 そして襲撃時にアニメイトの一番奥に位置する事務室にいたのも幸いだった。 そのおかげで地獄の火炎はヴィヴィオに至るまで瓦礫に阻まれて威力は半減していたからだ。 だが今は直前にルルーシュへの治癒魔法も行使していた事もあって多大な魔力を消費したために意識を失っている。 しかしルーテシアにとってはそのような事情はどうでもよかった。 重要なのはヴィヴィオを保護できたという事。 聖王の器であるヴィヴィオは聖王のゆりかごを起動するための鍵である事はルーテシアもチンクから聞かされて知っていた。 そのヴィヴィオは今自分の手元にある。 つまりこのまま聖王のゆりかごに行けば、その強大な戦艦の力を手に入れる事ができる。 それはイフリートよりもさらに強力な力であり、おそらく実現すれば生存している全参加者で太刀打ちできる者はいない。 だからルーテシアはヴィヴィオを背負って聖王のゆりかごに向けて移動しているのだ。 その先にある希望を信じて。 【1日目 午後】 【現在地 G-7 大通り上(南下中)】 【ルーテシア・アルピーノ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康、魔力消費(中)、疲労(中)、キャロへの嫉妬、ヴィヴィオを背負っている 【装備】マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ウィルナイフ@フェレットゾンダー出現! 【道具①】支給品一式、召喚マテリア(イフリート)@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、エボニー(9/10)@Devil never strikers、エボニー&アイズリー用の予備マガジン×1、レギオンのアサルトライフル(100/100)@アンリミテッド・エンドライン、ラウズカード(クラブのK)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、レイとフェイト(A’s)のデイパック(道具②と③) 【道具②】支給品一式(名簿の裏に記述あり、内容は情報交換のメモと同じ)、SIG P220(8/9)@リリカル・パニック、情報交換のまとめメモ(内容は守りたいもの参照) 【道具③】支給品一式、フリーズベント@仮面ライダーリリカル龍騎、光の護封剣@リリカル遊戯王GX 【思考】 基本:最後の一人になって元の世界へ帰る(プレシアに母を復活させてもらう)。 1.どんな手を使っても最後の一人になる(自分では殺せない相手なら手は出さずに他の人に任せる)。 2.南に向かい聖王のゆりかごを起動させる。 3.18時に地上本部へ行き、キース・レッド他集まった参加者をイフリートor聖王のゆりかごで一網打尽にする。 4.3がキース・レッドに察知された時の保険として一応キース・シルバーと『ベガルタ』『ガ・ボウ』を探す(割とどうでもいい)。 5.もしもレリック(刻印ナンバーⅪ)を見つけたら確保する。 【備考】 ※ここにいる参加者は全員自分とは違う世界から来ていると思っています。 ※プレシアの死者蘇生の力は本物だと確信しています。 ※ユーノが人間であると知りました。 ※マッハキャリバーは参加者の時間軸の差異に気付いています。 【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康、疲労小、魔力消費極大、シャーリーへの心配、知り合いが死んだ事への悲しみ、強い決意、浅倉に対する複雑な感情、ルーテシアに背負われている、気絶中 【装備】クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはStrikerS、フェルの衣装、レークイヴェムゼンゼ@なのは×終わクロ 【道具】支給品一式、ヴィヴィオのぬいぐるみ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【思考】 基本:六課の皆と一緒に脱出する。 1.シャーリーお姉さんを助けたい、ルルお兄さんも助けたい。 2.ママ達がいなくなってもヴィヴィオがんばる! 3.天道お兄さんを助けたい、浅倉お兄さんともお話したい。 【備考】 ※浅倉は襲い掛かって来た矢車(名前は知らない)から自分を救ってくれたヒーローだと思っています。 ※浅倉をまだ信頼しており、殴りかかったのは何か理由があるのだと思っています。 ※矢車とエネル(名前は知らない)を危険視しています。キングは天道を助けてくれるいい人だと思っています。 ※この場にもう1人なのはやフェイトがいる事に気付いていません。 ※クラールヴィントは浅倉を警戒しています。 ▼ ▼ ▼ 泉こなたが目覚めた瞬間に目にしたものはこちらの顔を心配そうに覗き込むスバルの顔だった。 「こなた、気が付いて良かった……」 「え、私、なんで……」 こなたは意識を失う前の出来事を懸命に思い出そうとした。 ルルーシュとシャーリーの再会に水を差してはいけないと思ってリインを連れて外に見張りに行こうとした。 一応なぜかシャーリーが持っていた自分のデイパックと護身用にアサルトライフルは持ち出した。 そして静かに事務室に移動。 それから二人の邪魔にならないように配電盤を操作して自動ドアが開かないようにセット。 次いでソファーの上でまだ眠っているヴィヴィオを確認してから裏口に向かった。 そこで鍵が掛かったドアを無理やり開けようとする何者かの存在に気付いた。 恐る恐る覗き穴から確認するとそこにはドアを拳で破壊しようとしているスバルがいたので急いでドアを開けて再会した。 そこで記憶は途切れていた。 「スバル、ここはどこ?」 「アニメイトから少し離れたところにある建物。たぶん見つかってはいないと思うよ」 その言葉は暗に自分達が追われているという事を意味していた。 護身用に持っていたはずのアサルトライフルが無くなっている事からも何か非常事態が起きた事は想像できた。 そしてスバルの左腕には骨折を処置したと思われる包帯が巻かれていた。 おそらく必死に守ってくれた証なのだろう。 「え、もしかして私達襲われたの?」 「うん、誰が襲ったのかは分からなかったけど……ただ炎の巨人を操っている事だけ分かったよ」 よくゲームで見る召喚士みたいな人をこなたは一瞬思い浮かべた。 だがそれよりも気になる事があった。 それはアニメイトにいたルルーシュやシャーリーやヴィヴィオの安否だ。 「スバル! ほ、他の皆は無事!?」 「お、落ち着いてこなた。私はこなたを守って逃げるだけで精一杯だったけど、リイン曹長なら無事だよ。 最初の攻撃を無理して防いでくれたせいで今はまだ気絶しているけどね」 「え、リイン以外は……?」 その言葉を聞いた瞬間、スバルの顔が一気に青ざめるのがよく分かった。 今までこなたとリインが無事で安心していた顔にはもう未知の怖れしか見えなかった。 「う、うそ……もしかして、アニメイトにまだ誰かいたの!?」 その時こなたは悟った。 これから自分の言う事はスバルを深い悲しみに追いやるだろうと。 だがいつかは分かってしまう事だ。 それならば早いうちに知らせた方がいい。 だからこなたは重い口を開いた 「アニメイトには……ルルーシュとシャーリーとヴィヴィオが残っていたんだ……」 「え――?」 その言葉はスバルがまたしても仲間を守れなかった事を意味していた。 【早乙女レイ@リリカル遊戯王GX 死亡確認】 【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反目のスバル 死亡確認】 【シャーリー・フェネット@コードギアス 反目のスバル 死亡確認】 【1日目 午後】 【現在地 G-6 市街地 アニメイトから少し離れた建物】 【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】疲労小、全身ダメージ小、左腕骨折(処置済み)、ワイシャツ姿、質量兵器に対する不安、若干の不安と決意、仲間の死によるショック 【装備】添え木に使えそうな棒(左腕に包帯で固定) 【道具】支給品一式(一食分消費)、スバルの指環@コードギアス 反目のスバル、救急道具、炭化したチンクの左腕、ハイパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、チンクの名簿(内容はせめて哀しみとともに参照) 【思考】 基本:殺し合いを止める。できる限り相手を殺さない。 1.う、うそでしょ……。 2.かがみを止めにいく。 3.こなたを守る(こなたには絶対に戦闘をさせない)。が、かがみの事はどう説明するべきか……。 4.アカデミアに戻って首輪を回収したい。 5.六課のメンバーとの合流とつかさの保護。しかし自分やこなたの知る彼女達かどうかについては若干の疑問。 6.もしも仲間が殺し合いに乗っていたとしたら……。 【備考】 ※参加者達が異なる時間軸から呼び出されている可能性に気付きました。 ※仲間(特にキャロやフェイト)がご褒美に乗って殺し合いに乗るかもしれないと思っています。 ※自分に割り振られた調査エリアを調べ終えました。何かを見つけたか否かは後続の書き手さんにお任せします。 ※アーカード(名前は知らない)を警戒しています。レイにも注意を払うようにしています。 ※万丈目とヴァッシュが殺し合いに乗っていると思っています。 ※アンジールが味方かどうか判断しかねています。 ※千年リングの中に、バクラの人格が存在している事に気付きました。また、かがみが殺し合いに乗ったのはバクラに唆されたためだと思っています。但し、殺し合いの過酷な環境及び並行世界の話も要因としてあると考えています。 【泉こなた@なの☆すた】 【状態】疲労小、仲間の死によるショック 【装備】涼宮ハル○の制服(カチューシャ+腕章付き)、リインフォースⅡ(疲労大、気絶中)@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS 【道具】支給品一式、投げナイフ(9/10)@リリカル・パニック、バスターブレイダー@リリカル遊戯王GX、ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、救急箱 【思考】 基本:かがみん達と共に家族の元に帰る為、自分の出来る事をする。 1.うそ、みんな……死んじゃったの……? 2.落ち着いたらこれまでの事をスバルと話し合う。 3.リインが心配。それと時間が経ってから後でフェイトとプレシアの関係を確認してみる。 4.かがみん達……大丈夫だよね? 5.おばさん(プレシア)……現実とゲームを一緒にしないで。 【備考】 ※参加者に関するこなたのオタク知識が消されています。ただし何らかのきっかけで思い出すかもしれません。 ※いくつかオタク知識が消されているという事実に気が付きました(スバル達に話すつもりはありません)。 ※かがみ達が自分を知らない可能性に気が付きましたが、彼女達も変わらない友達だと考える事にしました。 ※ルルーシュの世界に関する情報を知りました。 ※この場所には様々なアニメやマンガ等に出てくる様な世界の人物や物が集まっていると考えています。 ※地図に載っていない施設が存在する事を確信しました。 ※PT事件の概要(フェイトとプレシアの関係は除く)をリインから聞きました。 ※自分に割り振られた調査エリアを調べ終えました。何かを見つけたか否かは後続の書き手さんにお任せします。 ※アーカードとエネル(共に名前は知らない)、浅倉、キング、レイを警戒しています(特にレイとアーカードには二度と会いたくないと思っています)。 ※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからこれまでの経緯を聞きました。矢車(名前は知らない)と天道についての評価は保留にしています。 【リインフォースⅡ:思考】 基本:スバル達と協力し、この殺し合いから脱出する。 1.落ち着いたらこれまでの事を話し合う。 2.はやて(StS)や他の世界の守護騎士達と合流したい。殺し合いに乗っているならそれを止める。 【備考】 ※自分の力が制限されている事に気付きました。 ※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからこれまでの経緯を聞きました。 【チーム:黒の騎士団】 【共通思考】 基本:このゲームから脱出する。 1.これまでの情報を纏める。 2.首輪解除の手段とハイパーゼクターを使用するためのベルトを探す。 3.首輪を見つけた時には機動六課か地上本部で解析する。 4.それぞれの仲間と合流する。 【備考】 ※それぞれが違う世界の出身であると気付きました。 ※デュエルモンスターズのカードが武器として扱える事に気付きました。 ※デュエルアカデミアにて情報交換を行いました。内容は守りたいもの本文参照。 ※「月村すずかの友人」からのメールを読みました。送り主はフェイトかはやてのどちらかだと思っています。 ※チーム内で、以下の共通見解が生まれました。 要救助者:万丈目(注意の必要あり)、明日香、かがみ、つかさ、ルーテシア 合流すべき戦力:なのは、フェイト、はやて、キャロ、ヴィータ、シャマル、ユーノ、チンク、クアットロ、C.C./(フェイト及びクアットロには注意の必要あり) 危険人物:赤いコートとサングラスの男(=アーカード)、金髪で右腕が腐った男(=ナイブズ)、炎の巨人を操る参加者 以上の見解がそれぞれの名簿(スバル、こなた)に各々が分かるような形で書き込まれています。 【全体備考】 ※アニメイトは全壊・全焼して灰塵と化しました(跡地にルルーシュとシャーリーの焼死体があります) ※以下のものが焼失しました。 ブリタニア軍特派のインカム@コードギアス 反目のスバル、シャーリーのデイパック(支給品一式、デュエルアカデミア売店の鍵@リリカル遊戯王GX)、ルルーシュのデイパック(支給品一式、洞爺湖@なの魂、小タル爆弾×2@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、インテグラのライター@NANOSING、医薬品一式、メス×3、医療用鋏、ガムテープ、紐、おにぎり×3、ペットボトルの水、火炎瓶×4、シーツ数枚) ※【E-7駅】と【G-6アニメイト跡地】の間のどこかにレッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D s ―LYRICAL KING―が落ちています。 ※リインフォースⅡのお出かけバッグとゼロの銃(0/10)は破壊されました。 【涼宮ハル○の制服(カチューシャ+腕章付き)】 某有名アニメ涼宮ハル○の憂鬱に出てくる主要人物が通っている県立北高校の女子用の制服を再現したもの。 水色と白のセーラー服とスカートで、胸元の臙脂色のリボンが特徴的。 ただし涼宮ハル○(CV:平野綾)仕様という事でオプションとして黄色のカチューシャと『団長』と書かれた腕章が付いている。 こなたはアルバイトのコスプレ喫茶でこの衣装を着用している。 【フェルの衣装】 某18禁ゲームプリズム・アー○に出てくる自称「自称天才魔法操者」フェル(CV:水橋かおり)の衣装を再現したもの。 先が二つに分かれた大きな薄紫色の帽子と背中の大きな薄橙色のリボンが特徴的。 Back 崩落 の ステージ(前編) 時系列順で読む Next 共振~バイブレーション~ 投下順で読む Next 機動六課部隊長斬り捨て事件~バトルロワイアル放浪ツアー、街角に待ち受ける幻惑の罠、鉄槌の騎士と烈火の剣精は聞いていた~ ルーテシア・アルピーノ Next ロリッ!幼女だらけのクリスマスパーティー ~ボインもあるよ!~(前編) ヴィヴィオ Next ロリッ!幼女だらけのクリスマスパーティー ~ボインもあるよ!~(前編) スバル・ナカジマ Next Blue Swear―――蒼い誓い 泉こなた Next Blue Swear―――蒼い誓い 早乙女レイ GAME OVER ルルーシュ・ランペルージ GAME OVER シャーリー・フェネット GAME OVER
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翌日、小鳥遊がバイトに出ると、なのは、佐藤、ぽぷらがフロアで待ち受けていた。 「皆さん、お、おはようございます」 「おう」 「小鳥遊さん」 なのはが真摯な瞳で小鳥遊を見上げる。奥では、小鳥遊が変な動きをしたら即座に反応できるよう、恭也と美由希がナイフとフォークを構えていた。 「フェイトちゃんは、どうしてジュエルシードを集めているんですか?」 「……ごめん。言えないんだ」 「それはわかってます。でも、小鳥遊さんが協力するってことは、それだけの理由があるんですよね?」 小鳥遊が理由を言えないのは、フェイトに義理立てているからではなく、本当に知らないからだ。どう答えようか考えあぐねていると、来客を告げるベルが鳴った。 「あ、俺、行ってきます!」 小鳥遊は逃げるように速足で入口へと向かう。 「いらっしゃいませ。ワグナリアへようこ……」 「おはよう、宗太」 客は小鳥遊の姉の梢だった。長身の美人だが、まだ日も高いのにお酒の匂いを漂わせ、全体的にだらしない雰囲気がする。職業は護身術の講師。宗太が護身術を扱えるのも、梢の影響だ。 「ここには来るなって言っただろ。梢姉さん」 「宗太が冷たーい。私、お客なのに」 「そうだよ。お客は丁重に持てなさいとね」 梢の背後から現れたのは、人間形態のアルフだった。耳と尻尾を隠して、Tシャツにジーパンというラフな格好をしている。 「ア、アルフさん!?」 「あれ、宗太、アルフちゃんと知り合いなの?」 「梢姉さんこそ、どうしてアルフさんと?」 「いやー。店の前にいるのを話しかけたら意気投合しちゃって。ねー、アルフちゃん」 「おお、小鳥遊、あんたいいお姉さんがいて幸せだねぇ」 梢とアルフは肩を組んで笑いあう。 入口にずっと陣取っているわけにはいかないので、小鳥遊は二人を客席に案内する。騒いでも被害が少ないよう、なるべく端の席に座らせる。 「とりあえず、ビール! じゃんじゃん持ってきて!」 「昼間っから飲むな!」 「おや。お客の言うことが聞けないのかい?」 「くっ!」 梢一人なら、家族特権で強気に出れるが――ほとんど効果はないが――アルフがいるのでそれもできない。これでは完全に嫌な客だ。 さっさと酔いつぶして寝かせた方が静かになると判断し、小鳥遊はビールを取りに戻った。その途中で、念話をアルフに送る。 (どういうつもりですか?) (鈍いねぇ。あんたが不用意なことを喋らないように、監視だよ) (俺、何も知りませんよ?) (そんなことないさ) 小鳥遊の知っているフェイトとアルフの能力をばらされるだけでも、いずれ戦う時に不利になる。 フェイトは小鳥遊を疑っていないようだが、アルフは違う。いざとなれば、付き合いの長い、なのは、ぽぷら側と結託する危険性があると考えていた。 (どんな些細でも、あんたがフェイトの不利になるようなことを言ったら、その時はガブッといかせてもらうよ) アルフが低い声音で恫喝する。 (もう少し信用して下さい。俺は約束を破ったりしません) (そういう台詞は、証を立ててから言うもんさ) 小鳥遊は梢のテーブルに大ジョッキに入れたビールを二つ置いた。 「よーし。それじゃあ、今日は飲もう、アルフちゃん!」 「いいねぇ。今日はパーッとやろう、梢ちゃん!」 「ただ飲んで騒ぎたいだけじゃないですよね?」 すでに宴会モードに入っている二人を見ながら、小鳥遊は静かに溜息をついた。 店の一角を占拠し、アルフと梢がどんちゃん騒ぎをしている。従業員は梢で慣れているのか、とりわけ大きな反応をしていない。小鳥遊は頭痛を堪えていたが。 「ねえ、恭ちゃん」 「どうした?」 「このお店って、カップル多くない?」 やたら嬉しそうに美由希が耳打ちしてくる。古今東西、女性は色恋の話が好きだ。 「そうか?」 恭也に思い当たる節はまったくない。 「ほら、見てよ」 今オーダーは入っていないので、厨房で佐藤がぼんやりとしている。その視線が自然と八千代を追っている。言われてみれば、佐藤は八千代には優しい。 「それから、ほら」 伊波がフロアの片隅を指差す。 仕事をする小鳥遊を、物陰から伊波が荒い息で見つめている。 「ね? 熱い視線でしょ?」 小鳥遊はミニコンを治す為、伊波は男性恐怖症を治す為、なるべく一緒にいるよう杏子に指示されている。 最初は犬猿の仲だったのだが、殴る伊波に小鳥遊が我慢強く付き合い続けた。やがて伊波家の問題を小鳥遊が解決し、それがきっかけとなって伊波は小鳥遊に惚れてしまった。 「きゃあああああああ!」 後ろを振り返った小鳥遊に、伊波が殴りかかっていく。小鳥遊が店の奥へと飛んでいく。どんな鍛え方をしたらあんな腕力がつくのか、恭也は教えて欲しいくらいだった。 小鳥遊の技量なら防御くらいできそうなものだが、どういうわけか常に無抵抗で殴られている。 「きっと今のは照れ隠しだね。伊波さん、可愛い」 「俺には獲物を前に舌なめずりしている猛獣にしか見えん」 殴られる恐れがないせいか、美由希の伊波の評価はやけに甘いようだった。 「そう言えば伊波さんって、私を見るたびに、悲しそうな顔するんだよね。何か悪いことしたかな?」 美由希が首を傾げる。まさか美由紀の胸を見るたびに、スレンダーな伊波が敗北感に打ちひしがれているとは夢にも思っていなかった。 「あー。腹減ったなぁ」 杏子がフラフラと恭也たちの背後を通り過ぎる。初日に宣言した通り、杏子はこれまでほとんど仕事をしていない。 「八千代ー。パフェ」 「はい、杏子さん。ただいまお作りします」 八千代が慣れた様子でパフェを杏子に差し出す。ちなみに今日これで五杯目だ。他にもせんべいなど、ひっきりなしに食べている。どれだけ巨大な胃袋なのだろうか。 パフェを食べる杏子を、八千代はうっとりと眺めている。 「あの二人、十年来の付き合いなんだって。ラブラブだね」 「……女同士だぞ?」 「だから?」 美由希はこともなげに言う。 「あ、でも、そうなると、佐藤さんと三角関係か。うわ―。恋愛小説みたい」 美由希まで赤い顔で喜んでいる。 「仲がいいと言えば……」 これ以上踏み込んではいけない気がして、恭也は厨房に目を向ける。 「彼らも仲がいい……な!?」 厨房の中で、相馬が山田をおぶっていた。いや、おぶっているのではなく、山田が無理やりしがみついているようだ。 「山田を、山田を甘やかしてください! 甘え界のホープ、や、ま、だ!」 「山田さん。仕事ができないんだけど」 相馬は迷惑そうにしているが、山田はまったく気にせず同じ台詞を連呼している。 「恭ちゃん。あれは恋愛じゃないよ」 「……そのようだな」 直球過ぎるが、妹が兄に甘えるような感じだ。もちろん美由紀となのはがあんな甘え方をしたことはない。 「で、誰から聞いたんだ?」 美由希は恋愛に聡い方ではないので、情報源がいるはずだ。 「ばれちゃったか。山田さんだよ。八千代さんと白藤店長って仲がいいねって言ったら、この店の恋愛模様を全部教えてくれた」 佐藤にばれたらお仕置きを受けるだろうが、自業自得だろう。 ふと美由希が悪戯っぽい笑みを浮かべる。 「ねえ、私となのはに彼氏が出来たらどうする?」 「お前はともかく、なのはは早すぎるだろう」 「そんなことわからないよ。女の子は早熟なんだから」 「確かに大人びているが、さすがに恋人となるとな」 恭也は時々、なのはが小学三年生だと忘れそうになる。なのはだけではなく、友人のアリサとすずかも年齢以上にしっかりしているので、尚更だ。いくら子供っぽいとはいえ、高校生のぽぷらとなのはが対等の関係を築いているのがその証拠だろう。 「なのはちゃーん!」 「ぽぷらちゃん、どうしたの?」 ぽぷらがなのはに泣きつく。 「さっきのお客さんがね、『君、中学生?』だって!」 「ぽぷらちゃん、高校生なのに失礼しちゃうね」 よしよしとぽぷらを慰めるなのは。確実に間違っている光景だ。 しかし、どんなに大人びていても、なのはには親しい男友達がいないので、恋人のいる状態が想像しにくい。 「あ、それなら、ユーノ君は? ユーノ君を人間の男の子だと考えてみたら?」 「蛙じゃなくて、フェレットの王子様か。ファンタジーだな」 恭也は苦笑しながらも、もしユーノが人間だったらと考えてみた。 きっと金髪の可愛い男の子だろう。何故かパーカーに半ズボン姿まで詳細に想像できた。 なのはとユーノが二人で手をつないで歩いている光景を思い浮かべてみる。 (うん。なかなかお似合いだな) なんだか楽しくなってきて、恭也はさらにユーノを人間に置き換えてみる。 二人で一緒に食事をし、お風呂に入り、同じ部屋で寝る。この前、ユーノがなのはの頬を舐めていたが、あれはつまりキスということか。 「…………美由希、ここ任せていいか?」 「どこ行くの?」 「ちょっとあのフェレットを三枚に下ろしてくる」 恭也の両手にはいつの間にか、二刀の小太刀が握られていた。 「ねえ、どこから刀を出したの? さっきまで持ってなかったよね!?」 「じゃあ、すぐ戻る」 「待って! 今のはただの空想だから! ユーノ君はただのフェレットだから!」 「放せ、美由希! 男には殺らなきゃいけない時があるんだ!」 「それ、前に私の使った台詞!」 血気にはやる恭也を美由希が押しとどめる。その姿を、客たちが諦めたように眺めていた。すでに二人とも、ワグナリアの変人リストに名を連ねていることに、当人たちだけ気づいていなかった。 その頃、音尾の家では、ユーノが得体の知れない悪寒に襲われていた。 時空管理局所属、L級次元巡航船アースラ。 艦長室の赤い敷物の上で、リンディは静かに緑茶を湯呑に注いでいた。緑茶の中に大量の角砂糖を投入し、おいしそうに飲む。 『どうもー』 そんなリンディの横に通信画面が開いた。ただし、画像は真っ黒で何も映っていない。聞こえてくる声も音質が悪く、会話に支障はないが、相手の年齢どころか性別さえも判別できそうにない。怪しさ満点の通信だった。 「あら、久しぶりね。元気にしてた?」 しかし、リンディはにこやかに通信画面に話しかける。 『ええ、それはもう。実は今日はお願いがありまして』 「あなたがお願い? 珍しいわね」 リンディは姿勢を正した。ただ事ではなさそうだ。 『地元の知人が厄介事に巻き込まれてしまって、解決して欲しいんです。ロストロギア絡みと言えば、興味がおありでしょう?』 「ええ。もちろん。詳しく聞かせて欲しいわ」 『名称はジュエルシード。数は全部で二十一個。使い方次第では、次元震どころか、次元断層すら引き起こす危険な物です。これを二人の魔導師が奪い合っています』 次元震と聞いて、リンディの顔が険しくなる。下手をすれば、幾つもの次元世界が滅びかねない。 「他に情報は?」 『奪い合いをしている魔導師の写真は後で送ります。でも、俺が教えられるのはその程度ですね』 「どうして?」 『巻き込まれた知人が二派に分かれてしまって、どちらかに肩入れするわけにはいかないんですよ。こちらに来れば、すぐにわかると思いますので、それじゃあ、よろしくお願いします』 通信画面が消えると同時に、艦長室の扉が開く。入ってきたのは、黒いロングコートを着た少年だった。リンディの息子、クロノだ。 「母さ……艦長、今、謎の通信が。一体誰からですか?」 「そうね。一言でいえば情報屋さんかしら」 「情報屋? 魔導師ですか?」 「いいえ。次元移動したこともない一般市民よ」 「それがどうして僕らのことを知ってるんです?」 「さあ、どうしてかしらね。それより任務です。アースラはこれより第97管理外世界『地球』北海道へと向かいます」 アースラは進路を北海道へと向けた。 ワグナリアで、相馬は一人携帯電話をロッカーにしまう。やたらとごつい、まるでトランシーバーのような携帯電話だった。 山田が休憩室に入ってくる。まだ休憩時間ではないはずなので、さぼりだろう。 「おや、相馬さん。どなたに電話を?」 「うん。昔の知り合いにね」 「えっ? 相馬さんにお友達がいたんですか? かわいそうまさんのはずなのに?」 「勝手に可哀想にしないでもらえる? さてと仕事に戻ろうかな」 相馬は笑みを顔に張り付けたまま厨房に戻っていった。 その日の夕方からジュエルシード集めが始まった。 森の中で、怪鳥が羽ばたく。 「ぽぷら、右だ!」 「必殺ぽぷらビーム!」 敵の飛ぶ先を佐藤が予測し、ビームが怪鳥を貫く。 怪鳥が鳥とジュエルシードに分離する。 「ジュエルシード封印っと。やったね、佐藤さん」 ぽぷらはジュエルシードを拾い上げる。 ぽぷらが使える魔法は、飛行と直射型ビーム、念話だけだ。防御はバリアジャケットのみという貧弱さだが、そこはスピードと佐藤が敵の行動を予知することでカバーしてくれていた。 今日はほとんど縮んでいない。初戦では常に最大出力のビームを撃ってしまったので、あっという間に縮んでしまったが、最近では威力の調整もできるようになり、戦闘持続時間も延びていた。 「これで今日の仕事は終わりだな、ぽぷら」 「佐藤さんって、普段は種島って呼ぶのに、変身してる時だけぽぷらって呼ぶね。どうして?」 ぽぷらが不思議そうに佐藤の顔を覗き込む。 「当り前だ。変身してる時は、魔法少女が名字で、ぽぷらが名前なんだから。なのはと被るから名字では呼べん」 「そうなの!?」 「そうだ。つまり、変身したなのはを英語名風に表記すると、なのは・リリカル・魔法少女になる」 「リリカルってミドルネームだったんだ」 「略すと、なのは・R・魔法少女だな」 「佐藤さん。リリカルの頭文字はLだよ」 「……略すと、なのは・L・魔法少女だな」 「何事もなかったかのようにやり直した!」 「さっさと戻るぞ」 佐藤は少し赤い顔をしていた。 住宅街の片隅で、まだ発動していないジュエルシードを前に、なのはとフェイトは向かい合っていた。 なのはは唾を飲み込む。休戦条約はかわしているが、前は同じ状況で、問答無用で戦闘になった。どうしても身構えてしまう。 フェイトがバルディッシュを左手に、ゆっくりと近づいてくる。 (左手?) フェイトの利き手は右だったはずだが。 フェイトが無造作に右拳を突き出し、 「じゃんけん」 「へっ?」 「ぽん」 反射的に、なのははグーを出した。フェイトはチョキだ。 「……私の負け」 フェイトは意気消沈して去ろうとする。 「待って!」 約束を守ってくれたことが嬉しくて、なのはは思わずフェイトを呼び止めていた。 「何?」 「もし良かったら、私たち、友達になれないかな?」 なのはは自然とそんな言葉を紡いでいた。 「……さよなら」 しかし、フェイトは最後まで聞かずに飛んで行ってしまう。 夜も深まり、フェイトは集合場所に帰ってきた。 アルフも小鳥遊もまだ戻っていない。 「あの子は……どうして」 なのはの顔を思い出す。敵である自分と友達になりたいと言う少女。どうしてそこまで他人の為に必死になれるのか、フェイトには理解できない。 「ただいま」 「フェイト~。こいつ、何とかしておくれよぉ」 小鳥遊と一緒に帰ってくるなり、気味悪そうにアルフがフェイトの後ろに隠れる。アルフには魔法の知識のない小鳥遊についてもらっていたのだ。 「どうしてですか? 可愛いじゃないですか」 小鳥遊は両手に目玉のついた綿飴のような物体を抱えていた。暴走したジュエルシードだ。魔法で小さくされて、小鳥遊に頬ずりされている。 ジュエルシードは悲鳴を上げて嫌がっていた。 小鳥遊の攻撃魔法は縮小のみで、ジュエルシードの封印はできない。 「ジュエルシード封印」 「ああ、酷い!」 フェイトがいきなりジュエルシードを回収する。フェイトも少しだけかわいいと思ったのは内緒だ。 「アルフ、小鳥遊さんはどうだった?」 「う~ん。とにかく偏ってるねぇ」 アルフが困ったように頭を描いた。 防御は鉄壁だが、縮小魔法は射程距離が短く、飛行速度も遅い。相手がスピードで勝っていた場合、追いつく術がない。 今夜の戦いでも、逃走しようとするジュエルシードに置いて行かれそうになり、アルフがバインドで足止めしてどうにか捕獲できたくらいだ。 高速戦闘を得意とするフェイトとは真逆の能力だ。小鳥遊の当面の課題は、スピードアップと補助魔法の習得になるだろう。 「フェイトの方はどうだったんだい?」 「ごめんね。私はじゃんけんに負けちゃった」 「フェイト~。そんな約束守らなくても……」 「いいんだよ。私も母さんの為に早く集めたいし」 「母さん?」 小鳥遊の疑問に、フェイトとアルフは顔を見合わせる。 「ちょうどいいかも」 「フェイト、まさか」 「うん。小鳥遊さん、明日、時間ありますか?」 「朝ならバイト入ってないけど」 「よかった。じゃあ、明日、母さんに会ってもらえますか? 小鳥遊さんと協力するように言ったのって、母さんなんです」 「わかった。フェイトちゃんのお母さんか。きっと優しい人なんだろうね」 フェイトの頭を撫でながら承諾する。小鳥遊の言葉に、アルフは複雑な面持ちをしていた。 「それじゃあ、アルフ帰ろうか」 「先に行ってておくれ。あたしは少しやることが」 「? わかった。じゃあ、先に帰るね」 フェイトは一足先に隠れ家に帰っていった。 二人きりになり、アルフは小鳥遊に指を突きつける。 「単刀直入に訊くよ? フェイトのことをどう思ってるんだい?」 アルフにはどうしても不安なことがある。もし小鳥遊がフェイトに邪な感情を抱いているようなら、ここで倒しておかないといけない。 「どうって?」 「どうもこうもない。あんた、フェイトと恋人になりたいなんて考えてんじゃないだろうね?」 「まさか。むしろ父親になりたいです」 「はっ!?」 返答は、アルフの想定のはるか斜め上だった。 「ええと……つまり……付き合うつもりはないってことだね?」 どうにかそこだけ理解する。 「だから、そう言ってるじゃないですか」 「……なら、いいのかな?」 釈然としないものはあるが、アルフは無理やり自分を納得させた。 「その言葉、忘れるんじゃないよ!」 捨て台詞を残し、アルフもフェイトを追って夜空に消える。 小鳥遊にとって、ちっちゃいものはすべて愛すべき対象である。子供だろうと、小動物だろうと、虫だろうと、ミジンコであろうとそれは変わらない。 「さすがにミジンコと付き合えるわけないでじゃないですか」 もし最後の言葉を聞かれていたら、小鳥遊は今頃土の下に埋められていただろう。 目次へ 次へ
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魔道戦屍リリカル・グレイヴ Brother Of Numbers 第一話「ビヨンド・ザ・グレイヴ」 覚えているのは青い空…覚えているのは輝く雲…覚えているのは…… それは彼の一番古い記憶、親友と見た蒼穹の空と純白の白い雲、悠久の眠りにつく死人にまた闘争の運命が近づいていた。 男の名はブランドン・ヒートと言った、彼は孤児として生まれ同じ境遇の親友と共に紆余曲折を経てマフィアとなった、親友・仲間・ボスそして全ての愛する者を守るためブランドンは銃を取り殺し屋へとその身を堕とした。 ブランドンと親友は組織の中で不動の地位を確立したが親友はそれでは満足しなかった、親友はボスを殺し自分が組織を支配しようとしたのだ、ボスを裏切れなかったブランドンは親友に殺されその短い生涯を閉じる。 しかし死者を兵器として蘇らせる技術ネクロライズ計画により死人兵士(しびとへいし)ビヨンド・ザ・グレイヴと成った彼は最愛の女性がボスとの間に生んだ少女を守り親友を倒し数多の戦いを駆け抜けた。 そして戦いを終えた彼は深き眠りの中に落ちた、二度と醒めない筈の深き眠りに。 太陽の光の届かない地下施設、違法なる科学者ジェイル・スカリエッティの研究所の一室で意識を闇に落としていた男は目を覚ました。 「おや、目を覚ましたのかね?」 声をかけたのは白衣を着込んだこの施設の主、ジェイル・スカリエッティ、対するは隻眼の死人兵士ビヨンド・ザ・グレイヴ。 「古びたコンテナに眠る君を発見してね、勝手かもしれないが修復と蘇生をさせてもらったよ…グレイヴでいいのかな?」 スカリエッティの言葉にグレイヴは険しい目つきで答える。 「ああ名前か、私はジェイル・スカリエッティだ一応は科学者のはしくれだよ、それと君の名前はコンテナの資料から知ったよ」 スカリエッティがそう言うと彼の作った戦闘機人たち、セイン・ノーヴェ・ウェンディといった元気のある面々がコンテナから発見された荷物を部屋へと運び込んだ。 「ドクタ~これは何に使うんっすか~?」 「ああ、それは彼の身体の血液を交換するために使う専用の椅子だよ」 「そんなモンが必要なのかよ、とんだ欠陥品だなそいつ」 「本人の前で失礼な事を言っちゃダメだよノーヴェ、セインお姉ちゃんおこるよ~」 「うっせー、姉貴面すんな」 「う~妹が反抗期だ~今度チンク姉に言いつけてやる~」 「それはヤメロ!」 そうやってグレイヴの前でナンバーズがやかましく微笑ましい会話を繰り広げる、表情こそ変わらないが彼の出していた殺気が引いたのをスカリエッティは感じた。 「彼女たちはナンバーズ、私の作った戦闘機人…つまり君と同じような人工的な処置を受けた人間だよ、もっとも君は既に死んだ人間のようだが」 「えっ…その人って死んでるんっすか…ちょっと恐いっす」 「厳密に言えばね、でもこうやって生きて動いているのだから、君たちとそう変わらないさ」 怯えるウェンディにそう言うとスカリエッティはグレイヴに向き直り彼に声をかけた。 「さて、それじゃあ必要な事はこの3人から聞いてくれたまえ、私は研究に戻るよ」 「マジかよ」 「別にいいじゃんノーヴェ、最近は暇だったんだからさ」 「そうっすよ、死人も幽霊も戦闘機人には恐くないっすよ」 「恐がってんのはお前だけだろうが」 スカリエッティはそう残してその場を去り、ノーヴェたちがグレイヴの下に集まる。 「あたしはナンバーズ6番のセインだよ♪よろしくねグレイヴ」 「…ノーヴェだ」 「あたしは11番ウェンディっすよ、とりあえず服を着るっすよ」 3人は自己紹介をしてグレイヴの十字架の刻まれたスーツを差し出した、彼は目覚めの血液交換の為に上半身裸の状態だった。 服を着たグレイヴは3人に施設内を案内され様々な場所を歩いた、そして自分が眠っていたというコンテナの下にたどり着いた。 「これがグレイヴのいたコンテナっすよ」 「すごいボロボロだね~」 「ってかグレイヴっつたか、なんか喋れよ!最初っから一言も喋らねえじゃねえか」 「そう言わないっすよノーヴェ、きっと美少女だらけで緊張してるんっすよ」 そんな3人を置いてグレイヴはコンテナ内部を見た、最後の自分の記憶では仲間である十二やビリーと共に戦いを終え、“ミカ”に見守られて眠りについた筈だった。 「あっそうだ、グレイヴ、あたしこれをコンテナの中で見つけたっすよ、たぶんグレイヴ宛っすよ」 ウェンディはそう言うと古びた手紙をグレイヴに差し出した。 彼はその手紙を丁寧に開き、読み始める……そして最初の目覚めから一切の感情を見せなかった表情を悲しみに曇らせ、頬に一筋の雫を零す。 「どうしたっすか!?どこか痛いっすか?」 「どっか痛いならドクター呼ぶか?」 「グレイヴ~大丈夫?」 たった一滴の涙だったが、表情を表に出さない彼が発露するその感情の重さを語っていた。 グレイヴは自分を心配する3人の少女を見て優しく微笑み、かつて自分のファミリー“ミカ”にしたように、そっとその頭を撫でた。 「うわっ、いきなり何するの?まあ悪くないけど…」 「勝手に撫でんなよ…」 「セインとノーヴェずるいっすよ~その後はあたしっすよ!グレイヴ~」 地下の薄暗い施設に温かい空気が流れ、微笑ましい笑い声が響いた。 それはグレイヴへ宛てられた古びた手紙、送り主は最愛のファミリー(家族)、かつて愛した女性と忠誠を誓ったボスとの間に生まれた彼の相棒の一人の少女が残した最後のメッセージであった。 グレイヴへ。 あなたがこの手紙を読んでいる時、私はきっともう、この世には居ません。 専門医の先生からは後半年の命だと言われました、最後まであなたの傍に居られなくてごめんなさい。 最近は昔の記憶ばかり思い出します、スパイクや屍さんビリーさん、そしてグレイヴと一緒に駆け回ったあの時のことを… きっと私が死んだらあなたは悲しんで泣いてくれるねグレイヴ、でも私はあなたや皆に会えて本当に嬉しかったから、これだけは忘れないで。 この先あなたが安らかに眠り続けてくれるのを祈ります。 でも目を覚ましたらあなたは、また誰かを守ろうと助けようとするよね、私はそんなあなたが大好きだから、そんな時はその人を守ってあげて。 それじゃあ、ありがとう、さようなら…愛しています。 浅葱ミカ。 スカリエッティの地下施設で今日も3バカ(セイン、ノーヴェ、ウェンディ)が騒ぐ。 「うわ~ん。グレイヴ~またノーヴェがいじめるよ~助けて~」 「いじめるっす~」 「ウソ言ってんじゃねえコラ! てめえらがあたしのプリン食ったんだろうが!!」 「だっておいしそうだったんだもん」 「“だもん”じゃねえ!!」 「ノーヴェは心が狭いっすよ~」 「あんだとお!!」 作業用のツナギを着てスカリエッティが実験に使う器具を一人で運んでいたグレイヴの周りにやって来た3人はいつものドタバタ騒ぎを起こす、グレイヴは運んでいた荷物を床に置いて暴れるノーヴェの頭を撫でた。 「なんだよ…子供扱いすんなよ。」 顔を赤らめて不満そうな声を出すノーヴェにグレイヴはポケットから飴を出して渡した、最近彼はナンバーズのこういったケンカの仲裁用に何かお菓子を持ち歩くようにしていたのだ。 「ずるいっす~あたしも欲しいっすよ~」 「あたしも~」 「うっせえ! あたしのプリン食ったんだからこれはあたしんだ!」 そう言って3人はまたグレイヴの下から駆けて行った、やれやれと小さくため息をつくグレイヴに小柄な影が近づく。 「すまないなグレイヴ、妹達が迷惑をかけて。姉からあやまっておこう、それといつも面倒を見てくれてありがとう」 銀髪隻眼の小さな戦闘機人ナンバーズ5番チンクである、手のかかる妹達の面倒を見てくれるグレイヴに今日も彼女は礼を言った。 グレイヴは膝を突きチンクの頭を撫でた、かなり身長差のある彼がチンクを撫でる時は自然と膝を突かねばならないからだ。 「……グレイヴ。さすがに姉にこれは恥ずかしいのだが」 チンクは恥ずかしそうにするがグレイヴはこれに静かに微笑んで返した、ネクロライズ技術により生ける屍として兵器と成った彼はあまり口を開かない、故にこうやって彼女達の頭を撫でるのは彼なりの返事だった。 こうしてグレイヴはスカリエッティの下で色々と雑用を行いながらナンバーズの面倒を見て静かに暮らす、かつての血と硝煙に塗れた日々を忘れるかのように……しかしそんな日々は長くは続かない。 その日ノーヴェ以下いつものメンツ3人がレリックの回収として実戦経験習得のために出動したのだが予想以上の敵戦力、時空管理局の魔道師との戦いに苦戦を強いられているようだった。 救援を求める通信が入るも戦闘可能なナンバーズは他の任務に出動か調整中、ルーテシア一行も救援には来れないという状況。 その話をウーノから聞いたグレイヴは彼のコンテナ内にあった二度と使いはしないと思っていた“得物”を取りにスカリエッティのラボに向かった。 スカリエッティのラボのドアが乱暴に蹴破られグレイヴが姿を現す、彼の目はノーヴェ達を戦場に送ったスカリエッティに怒りの視線を投げかけると同時に自分の“得物”を探す。 「君か…来ると思ったよ」 スカリエッティは視線をその場に置かれていたグレイヴの得物である武器の詰まった棺桶“デス・ホーラー”へと移して説明を始めた。 「この棺を取りにきたんだろう? 弾は全弾非殺傷設定のものを込めておいたよ、転送の準備も整っているから救援に行きたければ行ってくれたまえ」 スカリエッティは転移魔法陣を指差し武器の説明を入れた、そんな彼をグレイヴは怒気を込めた目で睨みながら上腕に鎖でデス・ホーラーを固定して戦闘準備をする。 「おいおい…そんな目で見ないでくれ、彼女達は危険を承知で行っているんだから」 背に棺桶を背負うとグレイヴは転移魔法陣に向かって歩き出す、そんな彼にスカリエッティはふと質問を投げかけた。 「しかし君は良いのかね? 時空管理局とはこの管理世界の秩序そのもの、世界を全て敵に回すようなものなんだよ?」 グレイヴはその質問に銃弾で答えた、デス・ホーラーから抜かれた巨大な二丁銃“ケルベロス”が火を噴き純魔力ダメージ弾頭がスカリエッティの頬をかすめた。 「キツイ返事だねえ、随分と嫌われたものだ…」 かつて国家を動かす程に巨大な組織と二度も渡り合いそして壊滅させた最強の死人兵士が再び戦場に舞い戻る。 「ちっきしょう! なんでこんな時にセインがやられてんだよ!!」 「今はそんなこと言ってる場合じゃないすっよ!!」 ノーヴェとウェンディはコンクリートの壁を遮蔽物に管理局の魔道士の放つ射撃魔法を凌ぎながら応戦していた。 本来ならセインの能力ディープダイバーでレリックコアを回収した時点で離脱しているのだが、運悪くセインが敵の撃った射撃魔法を受けて昏倒してしまったのだ。 救援も期待できない状態で二人は気を失ったセインを連れて局の魔道師から逃げねばならなくなった。 「もうすぐガジェットの応援が来るみたいっすよ!」 固有武装ライディングボードからの砲撃で弾幕を張るウェンディが同じく自身の装備ガンナックルから射撃攻撃を撃ち続けるノーヴェに叫ぶ。 「あんな鉄屑どもが来てどうなんだよ! とにかくチャンスはそん時しかねえぞ、ガジェットがあいつらと交戦始めたらすぐにトンズラだ!!」 ガジェットの応援程度では心もとない程に敵の数は多かったが今のノーヴェ達が離脱するには最後のチャンスだった、そして駆けつけたガジェットの中の一機、飛行特化のⅡ型の上に見慣れた男が立っているのを二人は見た。 その男は背中に十字架を刻まれた黒いスーツを着て両手に巨大な拳銃を持ち上腕に巻いた鎖で棺桶のような物を背負っていた。 両の手の銃はケルベロス常人には扱えぬ死人兵士用の巨大銃、背負った棺桶は彼の為に作られた武器を満載した棺桶デス・ホーラー内部に過剰なほどに火器の内臓された棺だった。 その男グレイヴはかつて使った武器の数々を引っさげて、上空を通り過ぎたⅡ型ガジェットから飛び降り管理局の魔道師の只中に着地した。 「うわあ! なんだこいつ…」 「動くな! 我々は管理局の…」 口々に叫ぶ局の魔道師だったが彼らがその言葉を言い切ることは無かった、次の瞬間には彼ら全員はグレイヴが超高速で乱射した二丁銃ケルベロスの銃弾を受けて倒れたからだ。 100人は下らない数の管理局の魔道師が一切の反撃を許されずに倒れた、空中に棺を放って完全に自由になった両腕でケルベロスの銃弾を嵐のように撃ち出す技“Executioner’s Blood”この魔技を逃れられる者などいないのだ。 かつて死神とまで言われた最強の死人兵士が再びその手に銃を持ち、新たなファミリー(家族)の為に再び戦場に舞い降りた。 「グレイヴ…なんでここに来てんだよ? べ、別にお前の助けなんてなくたってあたしらだけで何とかしったっつーの…」 いつもの優しい様が嘘のような凄まじい戦いを見せるグレイヴにいささか狼狽しながらノーヴェが口を開く。 「なんでノーヴェは素直になれないっすかね~。ありがとっすよグレイヴ♪ あたしから素直じゃないノーヴェの分もお礼を言っとくっす」 「つまんねえこと言ってんじゃねえ!」 二人はいつものように軽くじゃれあう、その様子に少し微笑むグレイヴだが気を失ってライディングボードに乗せられたセインに心配そうな目を向けた。 「あ…セインなら大丈夫っすよ。射撃魔法の魔力ダメージで気を失ってるだけっす」 セインを心配そうな目で見るグレイヴにウェンディはそう答えて彼を安心させた、その時彼らにスカリエッティから通信が入る。 『あ~やっと通信が入ったよ。全員大丈夫かね?』 「ドクター遅いっすよ~」 「そうだよ。何やってんだよまったく…」 『そう言わないでくれ、これでも局の通信妨害が酷いんだよ。ウーノが調整中なんだからしかたないだろ? それに心強い味方が来たじゃないか』 スカリエッティの通信に文句を言う二人をやれやれと見るグレイヴだったが首筋に感じた寒気、第六感を刺激する感覚に目を遠方に向ける。 『おや、管理局の増援のようだね。これはこれは…機動六課の皆様方みたいだよ』 「マジっすか!? 早く逃げるっすよ~」 「そうだな。おいグレイヴ早くしようぜ!」 ノーヴェがグレイヴに声をかけた瞬間、グレイヴは手のケルベロスを構え銃火と共に弾頭をはるか遠方に撃ち出した。 「きゃああ!!」 眉間に魔力ダメージ設定の弾丸を受けて少女ティアナ・ランスターは倒れた、遠距離からの狙撃弾で敵を無力化しようとした彼女だったが、敵は幻術でカモフラージュする彼女に先に撃ち倒したのだ。 「ティア!」 相棒であるスバルが思わず声をかけたが既にティアナの意識は深い闇の底に落ちていた、少なくとも1時間は意識を取り戻さないだろう。 「スバル! ティアナは他のみんなにまかせて先に敵を叩くよ!」 「わ、分かりました」 スターズ分隊隊長、高町なのはの声にスバルはティアナを他の隊員に預けなのはと共に犯人を制圧せんと駆けた。 「敵さんが来ちゃったみたいっすね…」 「ちっきしょう…もう来やがったのかよ。こうなったら全員で応戦して逃げ道作るぞ!」 早すぎる敵の来襲に決死の覚悟で交戦の意気を高めるノーヴェとウェンディの頭を大きな手が優しく撫でた。 「ちょグレイヴ何するっすか~」 「な、なんだよ」 グレイヴは優しい微笑みを見せてから、戦意を宿した鋭い眼光を二人に投げかけたそれは二人が見る初めての彼の本気の顔、決して揺るがない意思を持つ戦士の顔だった。 「…ノーヴェ、ウェンディ」 そしてグレイヴはこの世界で初めて口を開く、静かに澄んだそして熱い心を宿した言葉と瞳で彼は二人に語りかけた。 「…二人は逃げろ。俺が食い止める」 「なっ! グレイヴを置いて行けないっすよ!」 「そうだよ誰が置いてくかってんだ!…それに喋れるなら早く言えよ」 反論する二人にグレイヴは鋭い眼光を浴びせて黙らせたその目は一切の妥協を許さない意思を持っていた、二人はそれ以上口出しできず結局グレイヴを残して脱出することとなる。 『大丈夫だよ二人とも。今ガジェットの大部隊とルーテシア達の準備を整えているからね、彼だけならルーテシアの遠隔転送で後から回収可能だ』 「…わかったよ。いいかグレイヴ! 絶対帰れよ約束だかんな!!」 「…ああ」 静かに答えるグレイヴにノーヴェが寂しそうな瞳を向ける、二人を乗せてウェンディのライディングボードが飛び去った。 『さてグレイヴ君、君の棺のエネルギーチャージはもう済んでいるだろう? 思う存分に使ってくれたまえ!』 インカム越しに響く耳障りなスカリエッティの管制を受けながらグレイヴは近づいた気配に二丁の巨銃を向けて銃火の花を咲かせた。 「くっ! なんて弾幕なの!」 高町なのはが思わず呻く、彼女を含めた機動六課の隊員達を迎えたのは背に棺を担ぎ雨のように銃弾を吐き出す二丁の銃を操る黒衣の男だった。 誘導弾を牽制として大量に撃ち出すもその全てが銃弾に叩き落されるのだった、そして接近戦に持ち込もうとしたスバルがウイングロードを駆けて腕の鉄拳を振るった。 「喰らえええ!!」 大きく振りかぶって出されたスバルの鉄拳を黒衣の男グレイヴは背の棺で難なく防ぐ、相応の威力を誇るスバルの拳を微動だにせず受け止めさらに力任せにスバルを棺桶で吹き飛ばす。 「きゃああ!!」 「スバル!」 グレイヴはスバルに駆け寄るなのはに容赦なくケルベロスの銃弾を撃ち出す、なのはは防御障壁を展開しながらスバルを助けに向かう、そしてなのはに追撃を続けるグレイヴに紅い騎士が踊りかかった。 「こっちだデカブツ! ラケーテンハンマー!!」 スターズ分隊副隊長ヴィータが手にしたデバイス、グラーファイゼンの強烈な一撃をグレイヴに振るう、さしものグレイヴも吹き飛ばされ瓦礫と土煙の中に埋もれる。 「大丈夫かなのは!」 「大丈夫だよ、スバルは一旦下がらせたし。それよりあの人大丈夫かな。ヴィータちゃんちょっとやりすぎじゃあ」 「なに言ってんだよ! これくらいまだ手加減したくらい…」 そんな会話を続ける二人の前で瓦礫を蹴り飛ばし立ち込める煙を割って手に二丁の巨銃を背に棺を持った死神が這い上がる。 「嘘だろ…」 「まさかあの一撃を防御障壁なしで…」 グレイヴは驚くなのは達に再び手の二丁銃を向ける、デバイスを構えて応戦の準備をする二人がそれぞれに口を開いた。 「待って下さい! なんであなたはこんな事をするんですか? 戦闘機人…彼女達が何をしているか分かっているんですか!?」 「お前も戦闘機人なのか!? なんか訳があんのか!? もし何か理由があるんなら管理局はちゃんと話しを聞く!」 なのは達の言葉にグレイヴは手の巨銃を棺にしまった、その行動に二人は顔を緩めるが彼の行為は別に降伏の合図などではなかった。 「…守る」 「えっ?」 「…俺はファミリー(家族)を守る」 グレイヴは静かな声と共に背の棺桶を肩に担いだそれはエネルギーをチャージの終わったデス・ホーラーの大技、大型のロケットランチャーを正面に撃ち出す“Death Blow”だった。 ランチャーが迫りなのはとヴィータは慌てて防御障壁を張りその攻撃を防いだ、軋む障壁でなんとか防ぎきり爆炎の晴れた二人の視界からはもう既に男は消えていた。 続く。 目次へ 次へ
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なのは「この番外編は際どい表現が入ってるなの」 フェイト「レイヴンの人達は本当はこんな変態じゃない筈だけど・・・」 はやて「まぁ、ええんとちゃうか?」 ???「いいだろう、それではドミナントである私が相手をしよう!!」 三人「「「…トリプルブレイカー!!」」」 ???「・・・あ、後は頼んだぞ、レイヴン!!」 リリカル・コア番外編4「バーテックスからの刺客なの」 「・・・、どうしよう・・・」 一人ぼっちで薄暗い施設の廊下をトボトボと歩くルーテシア・アルピーノは呟く。 いつも一緒にいる守護者の筈のガリューがいない。友達のエリオとキャロもいない。 回りにいるのは数匹の極小サイズのインゼクトのみ。 「はぐれちゃった・・・」 つまりは迷子である。 バーッテクスに占拠された施設内に突入、フェイトおば・・・、訂正フェイトさん以下七名で 広大な施設内を掃討にかかった。だが施設は広く部屋も多いためチームを三組に分けることになった。 ルーテシアはいつものようにライバルのキャロとほのかな恋心を抱くエリオと組行動をとった。 しかし、エ・キャ・ル組は運悪くバーテックス占拠部隊主力と接敵してしまう。 通路から通路へ、部屋から部屋へ・・・。交戦を繰り返した結果、ガリューや他の二人とはぐれてしまったのだ。 「みんな、周りはどう?」 通信しようにも強力なジャミングが施設内に仕掛けられているのか誰にも通信が繋がらない。 そのためインゼクトを周囲の探査に放った。 だがどのインゼクトも何等の兆候を発見してこなかった。 「・・・そう、ありがとう」 一人ぼっちでいることは怖い。特に薄暗く肌寒い無機質な廊下では。 自分の足音だけが響く、それがさらに不安を掻き立てる。 昔、それほど過去ではないが隣にはゼストがいてナンバーズもいた。あの忌まわしい事件の時に 友達ともいうべきキャロに出会い、そして自分が心のどこかで待ち望んでいた母親・メガーヌを得た。 「アスクレピオス、開ける?」 <ロック解除不能> 袋小路のゲートが目の前にあった。だがロックは開かなかった。 「ふぅ・・・」 ルーテシアは溜息をつく。開かないならここで待ちぼうけをする必要はない。 また来た道を引き返そうとルーテシアが踵を返した時だった。 『前方のゲートに反応接近。IFFを確認、バーテックス所属のレイヴンです』 アスクレピオスが警告を発する。 「どうして・・・、・・・こんな時に!!」 警告を聞いたルーテシアが後ずさる。自分は直接戦闘が出来る魔導士ではない。 直接戦闘を担任するガリューはいない。レイブンのコアデバイスの大半は 極小のインゼクトによる介入操作を無効化できるCPUを搭載している。 そのため残っている極小のインゼクトを使えない。 地雷王に白天王を召喚しようにもこの閉鎖空間では自分も被害を被る。 「ごめんね、みんな・・・」 殆ど戦闘力の無い数匹の極小のインゼクトがルーテシアを守るように前に出る。 そしてゲートが開く・・・。 ゲートが開いたその向こう側にいたのは・・・。 「お前もレイヴンなら戦場で・・・、 や ら な い か ? 」 <識別信号を受信、パンツァー・メサイア:G・ファウストです> アスクレピオスが報告する。 <敵はパンツです。どう見てもパンツです。危険です。> 「お前もレイブンなら覚悟は出来ているな?」 <敵は多彩なパンツを装備。特に遠距離では多彩なパンツです。 近接時の連続撹乱パンツ攻撃に注意してください> その名の如く、なのはのブラスタービットの如く多種多様なパ ンツが舞っている。 <なお、パンツアーメサイアである機甲救世主:G・ファウストはパンツの救世主です> 悪いデータでも受信したのか何時に無く饒舌なが分析データを伝える。 『つまり、彼はパンツの救世主だということ』 「?!」 ルーテシアには一瞬スミカ・ユーティライネンの声が聞こえたような気がした。 「悪く思うな、これも任務だ!!」 「わ・・・、わたし・・・、レイヴンじゃないし・・・」 震えながら涙目のルーテシアが呟く・・・。 「スパッツなんだけど・・・」 そう、彼女のバリアジャケットの下はスパッツを履いているのである。 「・・・なんと!!」 それを聞いた機甲救世主:G・ファウストはなぜか崩れ落ち、爆散した・・・。 「ルーちゃん!!」 開いたままとなっていたゲートの向こう側から白竜:フリードを連れてキャロが駆け寄ってくる。 「大丈夫だった?怪我は無い?」 隣にはエリオがストラーダを片手に駆け寄ってきた よくみると散乱しているはずの多種多様なパンツが消えている。 「まだジャミングが酷くてフェイトさん達やトーレさん達に連絡が取れないんだけど・・・、ルーちゃん?大丈夫?」 「うん、ちょっと・・・疲れた・・・」 強敵とも言うべきレイヴンを退けた後で、どっと冷や汗が流れ、さらにキャロに体を預けるように倒れこむ。 「うん、ちょっとここでお休みしようか・・・」 「でもすごいな、ルーテシアさんがこれを一人で倒したんだ・・・」 機甲救世主:G・ファウストの残骸を調べていたエリオが驚きの声を上げる。 「あ、・・・私は・・・」 「すごいよ!!ルーちゃん!!旧式とはいえレイヴンを一人で倒すなんて・・・、私も見習なくちゃ」 二人ともものすごく勘違いをしている。 「エリオ、キャロ、ルーテシア、みんな無事!?」 自分の歩いてきた方向からフェイトおば・・・、訂正フェイトさんが執務官補のティアを抱えて飛んでくれば。 「ルーお嬢、ご無事ですか?」 「セッテさんにトーレさんだ」 セッテとトーレもゲートの向こう側より飛んでくる。 やっと三組が合流できるようだ。 「G・ファウストがやられたか・・・」 ネタアセンとしか思えないレイヴンが呟けば・・・。 「所詮あいつはその程度だ!!ドミナントである私が相手をしよう!!」 ちょっと自己顕示欲の強いレイヴンが現れる。 「なるほど・・・、だがこの程度では力を図るには不十分か・・・、彼女らを倒してから・・・」 「 や ら な い か ?」 「いいだろう、私の実力を証明してやる、よく見ておくんだな!!」 ちょっと自己顕示欲が強いレイヴンが去っていく。 「私も急がねばならんな・・・」 ネタアセンとしか思えないレイヴンもまた踵を返しその場を去る。 変態集団バーテックス、その魔の手はクロスSSでも健在であった・・・。 エリオ「あれ?」 ???「何をしに現れた?」 エリオ「隊長はバーテックスじゃなくて戦術部隊では・・・?」 ???「なるほど、お前もか・・・。いいだろう選ばれたもののドミナント!!よく見ておくんだな!!」 エリオ「じょ、冗談じゃ・・・!!アーーーー!!!!」 数刻後 ジナイーダ「この静寂・・・、遅かったと言うのか?・・・一体誰が?」 戻る 目次へ 次へ
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いきなりは変われない(後編) ◆HlLdWe.oBM 「だ、大丈夫ですか、こなた」 「うん、なんとか無事だよ。でもいったい何があったの?」 「リインにもよく分からないです。咄嗟に防御魔法を展開するだけで精一杯でしたから」 こなたとリインはお互いの無事を確認すると、周囲の様子を恐る恐る窺った。 まだ周囲には埃が立ち込めて様子は分からなかったが、辛うじて見えた近くの壁には縦横に亀裂が走っていた。 どうやらデュエルアカデミアの何処かで爆発か大きな衝撃があって建物に亀裂が入ったようだ。 つまり長居をすれば施設の倒壊に巻き込まれる可能性が高いという事になる。 「そうだ、ルルーシュとレイは!?」 「すいません。レイは離れていたので防御魔法の範囲外でした」 リインは己の未熟さを恥じるかのように弱々しい声で事実を述べた。 その答えを聞いた時、こなたの脳裏に最悪の状況が浮かんだ。 建物に亀裂が走って天井や壁が脆くなった挙句に瓦礫として降り注ぐ様が。 そしてその下にいたレイは為す術もなく潰れて、血だまりの中に肉片が――。 「そ、そんな……じゃあレイは……」 「……でも、どうやらあまり瓦礫は落ちていないみたいです。だから無事だと思いますよ」 「あ、そう言われてみれば……」 確かにリインの言う通りだった。 先程より少し埃が薄らいだために周囲の様子が分かるようになっていた。 一見すると縦横に亀裂が走って今にも崩れそうだが、意外だが今の時点で壊れている壁や天井は微々たるものだ。 周囲の様子を確認すると、こなたはほっと胸を撫で下ろした。 少なくともレイが死ぬという最悪の結果は見なくて済みそうだ。 そうなるともう一人の行方が気になってくる。 「ところでルルーシュは……」 「ルルーシュならこなたの足元で寝ているですよ」 周囲をキョロキョロと見渡していたこなたにリインが声をかけた。 どうやら周囲ばかり見ていたせいで足元を見落としていたみたいだ。 まさしく灯台もと暗し。 「あ、いたいた。ルルーシュ、もう大丈夫だ――」 ――ぴちゃ。 「へ?」 こなたは不思議に思った。 ルルーシュに目を向けるために少し足を動かした瞬間、水溜まりを踏むような音が聞こえたのだ。 だが周囲を見ても水道管が破裂している気配などない。 それならこの水溜まりはいったい――。 「こなた! それ血だまりです!!」 「え、ええ!? そんな、ルルーシュ! ルルーシュ! ねえ、起きてよ!!」 リインに遅れること数秒、ようやくこなたにも状況が分かってきた。 ルルーシュは真っ赤な血だまりの中に倒れていたのだ。 原因は右腕の傷口。 そこがさっきの衝撃で開いてしまったのだ。 その場しのぎの止血と応急処置だけで放置していた事が裏目に出た。 ずっと傷口を防ぐのに使っていたスバルの鉢巻きは長時間の使用で緩んでいたのだ。 「こなた、ルルーシュの右腕は化膿もしていたです! このままの状態が続けば命が危ないです!」 「それって結構ヤバいんじゃ。早く何とかしないと!」 「早く正規の治療を施さないと……ヒーリングだけではもう焼け石に水です!!」 リインの悲痛な叫びを聞いている内にこなたは今の状況に至る発端を思い出していた。 そもそもの始まりはこなたとレイが合流してルルーシュの元に戻っている最中に遡る。 途中いくつか今後について話しながら移動していると、廊下で倒れているルルーシュを発見したのだ。 エントランスで待っているはずのルルーシュがなぜ廊下で倒れていたのか不思議だったが、それ以上に大きな問題が判明した。 ルルーシュの右腕の傷口が化膿して発熱していたのだ。 おそらく応急処置だけでは細菌の侵入を食い止める事ができなかったのだろう。 しかも失血によって体力も相当弱っていたはずだ。 さらに右腕の傷口に巻かれたスバルの鉢巻きは未だに替えないまま今に至っている。 それでは細菌の良い温床になるばかり。 今までルルーシュはいくつもの緊張の中に身を置いていたので発熱の前兆を疲労だと判断して無視してきた。 それはただスバルを守りたいがため。 そのために多少の不調には敢えて目を瞑ってきたのだ。 だがそれが反ってルルーシュ自身の状態を悪化させる事となっていた。 実際は表面上の変化はないように見えたが、その実ルルーシュの身体は限界に達していたのだ。 ルルーシュの容態に気付いたリインが急いでヒーリングを施したが、リインの力もここでは制限されていて状態は芳しくなかった。 だが必死の治療が功を奏したのか、しばらくするとルルーシュは目を覚ましてくれた。 まだ焦点が定まらないのか目が虚ろだったが、意識を取り戻した時はほっとした。 しかしその後に事件は起こった。 なぜか目覚めたルルーシュはいきなり左目に紅い不死鳥の紋を浮かび上がらせたのだ。 それは絶対遵守の力であるギアスが発動する前兆だ。 なぜこのタイミングで、誰に、どんな目的で。 こなたとリインはその一瞬にいくつもの疑問が湧いた。 だからどうしていいか分からず結局ギアスの発動を止めさせる事ができなかった。 まさか化膿による発熱の影響で冷静な判断を逸しているなど思いもつかない事態であった。 だが結果的に『俺に従え』というレイへのギアスは不発に終わった。 あの瞬間に起こった爆発の影響で落ちてきた瓦礫によって。 それは今になってそれほど大きくなかったと判明したが、ギアスを遮るのには十分なものであった。 そして結果的にレイにギアスは掛けられなかったが、ギアスの発動自体は成立していた。 だから当然ギアスに掛けられた制限でルルーシュには多大な疲労が残る事になった。 それは辛うじて意識を取り戻していたルルーシュを再び昏倒させるのに十分だった。 しかも意識を失う際に無意識のうちに倒れる身体を支えようと腕を出したのが決定的だった。 身体の支えとして出した右腕は既になく、傷口をもろに床に直撃させる結果となった。 その衝撃で止血用の鉢巻きが取れて傷口が開くなど、まさに泣きっ面に蜂の状態だ。 これらの原因の一端がルルーシュにもあるとはいえ自業自得にはあまりにも不幸な出来事であった。 だがそもそもこなたとリインはルルーシュの行動の理由など知る由もない。 二人にとってはいきなり重症のルルーシュがレイにギアスを掛けようとした事ぐらいしか分かっていなかった。 だから二人は知らなかった。 「ルルーシュ……あなたのせいで十代様はアアァァァァ!!!」 ルルーシュが目撃した光景を。 レイが拳銃の銃口をルルーシュに向けている様子を。 ▼ ▼ ▼ もう迷わない。 ▼ ▼ ▼ きっかけは些細な会話だった。 リインが話していた時空管理局の救援に関する会話。 その中に出てきた一つの事実が他の内容を吹き飛ばすほどレイには衝撃的だった。 それは『パラレルワールドから参加者を連れてくるごとに時空管理局に発見される可能性が高い』という内容だ。 つまりプレシアにとってはパラレルワールドから参加者を連れてくる事は何らかのリスクを負う事になる。 しかも本来なら一度で済む作業を二度三度に分けるので手間もかかる。 ではなぜプレシアはリスクを負って手間をかけてまでそのような事をするのか。 それはもちろん参加者の間で誤解を生じさせて殺し合いを誘発してデスゲームを円滑に進めさせるためだろう。 だが参加者全員にそれが当てはまるだろうか。 確かに別世界の影響で知り合いだと思っていた者が自分の事を知らない、あるいは時間が違うせいで味方だと思っていた者が敵になる。 まさに誤解による殺し合いの促進だ。 だがこれによって殺し合いに影響を及ぼす者は何らかの力のある者に限られる。 例えばもし自分と十代の間に誤解が生じたところで大して力のない二人など他の参加者から見ればどうでもいい存在でしかない。 一応カードの扱いに一日の長があるが、そのような力はカードがなければ何の役にも立たない。 つまり自分達のような何の力もない一般人は誤解を生じさせてもあまり意味がない。 パラレルワールドから手間をかけてリスクを冒して連れてくるだけのメリットが無いのだ。 この結論に至った時、レイは絶望した。 先程の放送で呼ばれた遊城十代がレイの世界の十代で間違いないという事になるからだ。 本当はこのような結論など否定したかった。 だがどう考えても否定できる理由など見つからなかった。 だからレイは一人静かに恨んだ。 十代を殺した者を。 そして――。 ――レイの行動を阻んだルルーシュを。 ここに来てからレイは実に半分以上の時間をこのデュエルアカデミアで過ごしている。 その原因はルルーシュだ。 ルルーシュの疑いの目を警戒するあまり行動は慎重にせざるを得なくなり、結局のうのうと時間を浪費するだけだった。 確かにいくつか収入はあったが、それよりももっと会場を巡って十代のために何かできたはずだ。 ルルーシュさえいなければスバルやこなたを上手く言いくるめて別行動できたかもしれない。 だからこそルルーシュの存在が許せなかった。 だがいくら憎んでもレイの手持ちには人を殺せるような道具はない。 『レッド・デーモンズ・ドラゴン』は使用に関して不確定要素がありすぎる。 唯一確実な武器である拳銃はルルーシュに取られたままだ。 だからレイは一度生まれた負の感情を持て余していた。 だが好機は意外にもすぐ訪れた。 エントランスに向かう廊下の途中でルルーシュが倒れていたのだ。 しかも右腕の傷が化膿して発熱を引き起こすという重症になっていた。 すぐさまこなたとリインはルルーシュの応急処置に取り掛かり、レイはルルーシュやこなたの荷物を預かる事になった。 レイが治療に参加しないのはレイより年上のこなたの方が治療の助けには向いているからだ。 だから治療の邪魔になるようなデイパックや銃器を預かる役はレイになったのだ。 つまり図らずともレイの手に人殺しの道具が舞い込んできたのだ。 レイの目の前ではこなたとリインが床に救急箱やシーツなどを広げて必死の治療に当たっている。 もちろん二人が意識を向けているのは重症のルルーシュであって、仲間だと思っているレイは意識の外になる。 だからルルーシュから取り戻した銃を構えても何の反応もなかった。 もう照準は合わせたので後は引き金を引くだけだった。 だがいざ引き金を引こうとすると指が動いてくれなかった。 本当にこれでいいのか。 もしかして自分は間違っているんじゃないか。 こんな事をして結果的に何になるのか。 そんな疑問がレイの胸中に渦巻いた。 そもそもレイは十代を守るために危険人物を殺そうと決意したが、今に至るまで誰も殺していない。 しかも手違いで無害なフェイトを殺してしまったと思った時は一瞬たじろぎさえしていた。 誰かを殺す決意はしたが、まだ誰かを殺す覚悟は固まってはいなかったのだ。 だから銃口をルルーシュに向けたまでは良かったが、そのままの状態から一歩進む事ができなかった。 だが皮肉にもその最後の一歩を踏み出す一押しになったのはルルーシュであった。 確かにレイはルルーシュを撃とうとしたが、まだ覚悟は定まっていなかった。 だからルルーシュと目が合った時、自分の行動がばれたと思って身体が震えたのだ。 その時レイはもう全て打ち明けてしまおうかと思うぐらい実際には精神的に追い詰められていた。 しかしそんなレイにルルーシュは躊躇う事なくギアスを掛けようとした。 確かに銃を撃とうとしたレイに非がある。 だがただ銃口を向けただけでギアスを掛けるとは如何なものか。 こちらはまだ撃つ覚悟さえ固まっていなかったというのに。 しかもギアスの内容は『俺に従え』――レイを完全に従順させるものだ。 これがまだ『銃を捨てろ』や『撃つな』ならまだ納得がいく。 だが『俺に従え』などまるでレイがルルーシュの道具であるかのような言い草だ。 そしてレイは悟ったのだ――ルルーシュにとって自分は使い捨ての効く道具のような存在だと。 それに気付いた時、頭のどこかで何かが吹っ切れた気がした。 そして激しい怒りと憎しみが湧きあがってきた。 自分はこんな奴のために十代様を守る時間を浪費してしまったのかと。 だから二度目に銃を構えた時、もうそこに躊躇はなかった。 だがこの時は激情に突き動かされて声を上げたせいでこなたとリインに気付かれて失敗してしまった。 そして銃の反動に驚いている隙を突かれて、あまつさえ3人の逃亡を許してしまった。 一応逃げていった方角は北の裏口の方なのでどの方向へ行ったのかはだいたい分かる。 ここも自分が調べた範囲では目ぼしい物はなかったから長居する必要はない。 「ルルーシュ、あなたを殺して、次に十代様を殺した奴も殺す。そして――」 その時にはもう全てが終わるだろう。 「――私も死ぬ。ごめんなさい、十代様」 どうせ元の世界に十代はいない。 死者蘇生の可能性など先程考えた通り、期待するだけ無駄だ。 それなら生きているより死んだ方がいい。 もしかしたら天国という場所があって十代と再会できるかもしれない。 「……私――いやボクはもう恋する乙女なんかじゃない」 そこには恋する乙女の姿はなかった。 そこにあるのは悲しい復讐者の姿だけ。 【1日目 日中】 【現在地 G-7 デュエルアカデミア裏口付近】 【早乙女レイ@リリカル遊戯王GX】 【状態】健康、銃の反動で腕が少し痺れている、自暴自棄 【装備】SIG P220(8/9)@リリカル・パニック、 【道具】支給品一式×4、リインフォースⅡのお出かけバッグ@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS、フリーズベント@仮面ライダーリリカル龍騎、光の護封剣@リリカル遊戯王GX、情報交換のまとめメモ、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D s ―LYRICAL KING―、投げナイフ(9/10)@リリカル・パニック、バスターブレイダー@リリカル遊戯王GX、レギオンのアサルトライフル(100/100)@アンリミテッド・エンドライン、洞爺湖@なの魂、小タル爆弾×2@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、インテグラのライター@NANOSING、医薬品一式、メス×3、医療用鋏、ガムテープ、紐、おにぎり×3、ペットボトルの水、火炎瓶×4、ラウズカード(クラブのK)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ハイパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、シーツ数枚 【思考】 基本:目的(ルルーシュと十代を殺した者を殺す)を果たしてから死ぬ。 1.ルルーシュを追いかけて殺す。 2.十代を殺した者を殺す。 3.レッド・デーモンズ・ドラゴン……使えるかな? 4.フェイト(StS)、万丈目を強く警戒。 【備考】 ※フェイト(A s)が過去から来たフェイトだと思っています ※フェイト(StS)、万丈目がデュエルゾンビになっていると思っています(スバル達には「自分の世界のフェイトは敵に洗脳されているかもしれない」と説明しました)。 ※デュエルデュスクを使えばカードの効果をより引き出せると思っています。 ※カードとデュエルディスクは支給品以外にも各施設に置かれていて、それを巡って殺し合いが起こると考えています。 ※レッド・デーモンズ・ドラゴンが未来の世界のカードだと考えています(シンクロ召喚の方法がわかっていません、チューナーとチューナー以外のモンスターが必要という事は把握済みですがレベルの事はわかっていません)。 ※正しい召喚手順を踏まなければレッド・デーモンズ・ドラゴンを召喚出来ないかどうかは不明です。 ※レイの調べた範囲でデュエルアカデミアに目ぼしいものはありませんでした。 ※死んだ十代は自分と同じ世界の十代で間違いないと思っています。 ※かなり破滅的になっているので周りの話をあまり聞かない可能性が高いです。 ▼ ▼ ▼ 生き延びたいなら躊躇ってはいけない。 ▼ ▼ ▼ 「ダメですこなた! やっぱりさっきの衝撃で傷口が開いてヒーリングだけじゃ手に負えないです!!」 背中からリインの必死の訴えに危機感を募らせながらこなたは決死の逃避行に挑んでいた。 なんとか裏口からデュエルアカデミアを抜けて現在は先程確認した煙の方に向かっている。 大した理由はない、ただ咄嗟にその方角が思いついただけだ。 本当はスバルと合流したかったが、あの時デュエルアカデミアを襲った衝撃はエントランスの方からだった。 だからそこも安全とは言えない。 しかも今迂闊に戻ればレイと鉢合わせになる可能性もあるのだ。 今の状況は最悪だ。 まず近くに頼れる存在がリインしかいない上に、そのリインも治療で手が離せない状態。 ルルーシュは意識を失っていて右腕の怪我が悪化して急を要する事態。 そしてこなたはその重症のルルーシュを背負って懸命に走っている最中。 時々背丈が違い過ぎるから背負うのは大変だと泣き言を言いたくなるが、そんな暇などありはしない。 今は一瞬たりとも気を抜けない。 なぜなら気を抜けばたちまち背後から追いかけてくるレイに殺されるかもしれないからだ。 あの時なぜレイがいきなり発砲してきたのかは分からない。 だがレイの顔は相当追い詰められたものだった。 きっと何か深い事情があった事だけはなんとなく分かった。 おそらく今のレイに何を言っても聞く耳を持たないに違いない。 だから逃亡という選択をしたのだ。 最初の銃弾とその後の逃亡はリインのおかげで何とか上手くいった。 だがそうそう何度も上手い事いくわけがない。 今のこなたはデイパックさえ無い状態なのだ。 まさに頼れるのは己の身一つのみ。 【1日目 日中】 【現在地 G-7 北西部】 【泉こなた@なの☆すた】 【状態】健康、ルルーシュを背負っている 【装備】なし 【道具】なし 【思考】 基本:かがみん達と共に家族の元に帰るため、自分の出来る事をする。 1.とにかく逃げる(一応煙の方を目指して)。 2.落ち着いてからルルーシュに外の煙や調査結果について報告。 3.リイン、レイ、スバルが心配。 4.アーカード(名前は知らない)を警戒。 5.後でフェイトとプレシアの関係を確認してみる。 6.かがみん達……大丈夫だよね? 7.おばさん(プレシア)……現実とゲームを一緒にしないで。 【備考】 ※参加者に関するこなたのオタク知識が消されています。ただし何らかのきっかけで思い出すかもしれません。 ※いくつかオタク知識が消されているという事実に気が付きました(スバル達に話すつもりはありません)。 ※かがみ達が自分を知らない可能性に気が付きましたが、彼女達も変わらない友達だと考える事にしました。 ※ルルーシュの世界に関する情報を知りました。 ※この場所には様々なアニメやマンガなどに出てくるような世界の人物や物が集まっていると考えています。 ※地図に載っていない施設が存在する可能性があると考えています。 ※PT事件の概要(フェイトとプレシアの関係は除く)をリインから聞きました。 ※自分に割り振られた調査エリアを調べ終えました。何かを見つけたか否かは後続の書き手さんにお任せします。 【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反目のスバル】 【状態】左腕裂傷、右腕欠損(傷口化膿・再出血)、疲労極大、発熱による若干の錯綜、強い決意、深い悲しみ、気絶中 【装備】ブリタニア軍特派のインカム@コードギアス 反目のスバル、リインフォースⅡ@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS 【道具】なし 【思考】 基本:守りたい者、守るべき者を全力で守り抜く。 1.レイは危険だ。 2.チンクが目覚めたら彼女と話をする。 3.スバルを守るために、たとえ汚れ役を買って出てもスバルにとって最善と判断した行動を取る(もしもの時は殺害も辞さない)。 4.ディエチやカレンの犠牲は絶対に無駄してはならない。 5.ギアスの制限を確かめたい。 6.戦力の確保及びプレシアの関係者の捜索、首輪の解析を行う。 7.C.C.、クアットロと合流したい。 8.ゲーム終了時にはプレシアに報復する。またその後でシャーリーに自らの命の決断を仰ぎ、それに従う。 9.左腕が刃の男(=ナイブズ)、赤いコートの男(=アーカード)、殺し合いに乗った頭の切れる参加者を警戒。 【備考】 ※プラント自立種にはギアスが効かない事が確認されました。 ※ギアスを使った際の疲労は命令の強さに比例すると考えています。同時にギアスが効かない参加者が他にもいると考えています。 ※こなたの世界に関する情報を知りました。もっとも、この殺し合いにおいて有益と思われる情報はありません。 ※「左腕が刃の男」が既に死亡したナイブズである事に気付いていません。 ※ここにいるスバルを“本物のスバル・ナカジマ”であると認めました。 ※レッド・デーモンズ・ドラゴンは現状では使えない可能性が高いと考えています。 ※「月村すずかの友人」からのメールを読みました。ご褒美の話をどう捉えているかは後続の書き手さんにお任せします。 ※シャーリーが父の死を聞いた直後から来ている事に気付きました。また一緒にはいられないと思っています。 【リインフォースⅡ:思考】 基本:スバル達と協力し、この殺し合いから脱出する。 1.はやて(StS)や他の世界の守護騎士達と合流したい。殺し合いに乗っているならそれを止める。 2.ルルーシュの治療に専念する。 3.落ち着いてからルルーシュに外の煙や調査結果、こなたと話した他の施設や隠し施設の事について報告。 【備考】 ※リインフォースⅡの参戦時期は第四話ではやてと会話する前(つまり眠っている間)です。 ※自分の力が制限されている事に気付きました。 【チーム:黒の騎士団】 【共通思考】 基本:このゲームから脱出する。 1.デュエルアカデミア内部を調べる。 2.首輪解除の手段とハイパーゼクターを使用するためのベルトを探す。 3.首輪を見つけた時には機動六課か地上本部で解析する。 4.それぞれの仲間と合流する。 【備考】 ※それぞれが違う世界の出身であると気付きました。 ※デュエルモンスターズのカードが武器として扱える事に気付きました。 ※デュエルアカデミアにて情報交換を行いました。内容は守りたいもの本文参照。 ※「月村すずかの友人」からのメールを読みました。送り主はフェイトかはやてのどちらかだと思っています。 ※チーム内で以下の共通見解が生まれました。 要救助者:シャーリー、ヴィヴィオ、万丈目(注意の必要あり)、明日香、かがみ、つかさ、ルーテシア 合流すべき戦力:なのは、フェイト、はやて、キャロ、ヴィータ、シャマル、ユーノ、クアットロ、チンク、C.C.、(フェイト及びクアットロには注意の必要あり) 危険人物:赤いコートとサングラスの男(=アーカード)、金髪で右腕が腐った男(=ナイブズ) 以上の見解がそれぞれの名簿に、各々が分かるような形で書き込まれています。 ▼ ▼ ▼ どんな事をしても私は生き残ってみせる。 ▼ ▼ ▼ そこには少し前までは立派なエントランスがあったはずだ。 だが今ではその面影は見る影もなく廃墟と呼ぶのが相応しい状態になっていた。 まだ爆煙が晴れていないので一部しか見えていないが、全貌も推して知るべしというところだろう。 そんな光景を見てもかがみは何も思わなかった。 ただ自分が行った成果を他人のような目で見るだけだ。 最初かがみはスバルが言っている事が信じられなかった。 だがバクラに確認を取ったところ、それが真実であると知った。 つまり自分とこなたは別々の世界から連れて来られたという事実を認めるという事だ。 またバクラになぜこの事を黙っていたかと聞くと、宿主つまりかがみにこれ以上心労を掛けたくなかったと答えた。 その心意気は嬉しかったが、本音を言うともっと早く言ってほしかった。 実はバクラの本心は別にある。 本当はキャロと出会った時のかがみの反応が心配だったために言わなかったのだが、この際仕方なかった。 とりあえずいざという時は時間を稼いで精神を乗っ取って解決しようと思っている。 そしてかがみはなのはがあのような反応を取ってもおかしくないという事に行き着いた――だが、それだけだ。 世界が違おうと、時間が違おうと、かがみの身に降りかかった出来事に変化はない。 エリオが死んだのも。 クワガタの怪人に襲われたのも。 ピンクの髪の女侍を殺したのも。 片翼の剣士に死にそうな目に遭わされたのも。 Lに監禁されたのも。 モンスターに追いかけられたのも。 万丈目にカードデッキを押しつけられたのも。 カードデッキを破壊されてモンスターに襲われたのも。 全て世界や時間の違いなどと関係のないことばかりだ。 結局のところ自分の不幸の原因に変化はない。 この事実を知ったからと言ってかがみの方針が変わる事などないのだ。 むしろ逆に踏ん切りが付いた。 なぜならここにいるこなたは自分の世界のこなたではない。 つまり優勝して元の世界に戻ればこなたは変わらずそこにいるのだ。 そうなるとこなたが別世界ならつかさも別世界だろう。 かがみは根拠もなくそう思っていた。 もうこなたとつかさを気に掛ける必要はないのだ。 だが可能なら自分の手で殺すのは避けたいというのが本心ではある。 つまりもう迷う事などないのだ。 だからこその選択、だからこその行動だった。 現状かがみの手持ちの武器で一番使えそうなのは王蛇のカードデッキだ。 だがそれにはいくつか制約があり、とりわけモンスターの暴走を止める餌の確保は急務だった。 だからかがみは餌としてスバルを選んだのだ。 こちらを警戒していないその隙に行動を起こせばいけると思ったのだ。 結果的にそれは失敗したが、代わりの餌は補充できたので結果オーライだった。 だがバクラの進言もあってこの際に殺しまおうと考え直して、外からEx-stでの砲撃を敢行した。 バクラがこのような誘導をかけたのはかがみに殺人を重ねさせて下手に説得されない事を狙ったからだ。 それに先程喰われた眼帯女が万丈目を襲った奴だと気付いた事も一因であった。 万が一でも眼帯女からの情報で自分の存在に辿り着けば厄介だからだ。 「このEx-stって使いどころ微妙ね……あ、これ弾の補充ってどうするの?」 『さすがに俺もそれは知らねえぜ。またあとで考えるか』 「そうね」 『ああ、それよりも……』 「ん?」 『気を付けろ、あの青髪まだ死んでないぞ』 「まだ、生きているんだ」 バクラの言う通りスバルは生きていた。 爆煙が晴れてエントランスの全貌が明らかになって初めてスバルが少し離れた場所に倒れている事に気付いた。 内心でこの隙にベノスネーカーを襲いに行かせれば良かったと思ったが、ベノスネーカーはあの一瞬で傷を負わされたらしい。 そのせいかスバルの服装が白の戦闘服っぽいものから茶色の制服に変わっていた。 『バリアジャケットが解けたのか? 何にせよ、チャンスだぜ』 「何か考えがあるの?」 『ああ、あの剣みたいなデバイスを今のうちに取り上げれば、後が楽になるぜ』 バクラはキャロと行動するうちに基本的な魔法の知識は身に付いていた。 だからスバルの姿の変貌を見た時にすぐにバリアジャケットが解けた事に気付いたのだ。 そしてまた魔導師にとってデバイスが必要な物である事も知っていたので今の内に奪取する事を提案した。 ざっと観察したところスバルのデバイスが剣だと盗賊王バクラの鋭い目は見抜いていた。 だがかがみはその意見に懐疑的だった。 「そんな上手い具合にいくわけ――」 『盗みのカードがあっただろ』 王蛇のカードデッキの中にあった「STEAL VENT」のカード。 確かにその盗みのカードなら首尾よくいきそうだ。 「じゃあ、さっさと済ませましょうか」 『ああ、俺と宿主でダブルライダーだな』 「それ、なんか意味違う気がするわよ」 かがみはバクラの軽口を適当に流しながらEx-stをデイパックに戻して、代わりに王蛇のデッキを制服のポケットから取り出した。 そして首に下げている千年リングにデッキを映した次の瞬間、かがみの腰にはライダーの象徴たるベルトが顕現していた。 「『変身!!』」 戯れで重ねてみた二人の声を同時にベルトにデッキが差し込まれる。 もうそこにいるのは柊かがみではない。 そこにいるのは戦う事を宿命づけられた戦士、仮面ライダー王蛇の姿であった。 そしてすぐさま左手に牙召杖ベノバイザーを、右手に「STEAL VENT」のカードを用意した。 (私は生き延びたい。誰だってそう思うわよ。だから私は間違っていない――) かがみはそう思いながら「STEAL VENT」を発動させた。 いや、そう思わずにはいられなかったのかもしれない。 異常な状況とはいえ少し前まで平和に日々を過ごしていた女子高校生が喜々として殺し合いに参加するなど普通なら考えにくい。 だが普通でなければ。 もしかしたらかがみは別々の世界や時間という免罪符の下で自分の行為を正当化しているのかもしれない。 本当のところは誰にも分からないが。 たとえ孤独でも命ある限り戦う、それがバトルロワイアルだろう。 「いったい、どうしてこんな事に……」 スバルは未だ状況が把握できていなかった。 紫の蛇が襲ってきた事も。 背後から放たれた直射系の砲撃魔法のようなものの事も。 かがみが紫のバリアジャケットのようなものを身に纏った事も。 頼みの綱のレヴァンティンがいきなり消えてかがみの手に現れた事も。 どれもスバルには分からない事ばかりであった。 だがこのままかがみを放っておけない事だけは分かった。 しかしスバルの状態は厳しいものであった。 チンクのデイパックは爆発のせいでバラバラになって中身があちこち散らばっている。 バリアジャケットの外装は爆発によるダメージを軽減するためにリアクティブパージして、アンダーも軽減できなかった衝撃で破損してしまった。 つまり今のスバルはバリアジャケット無しの上に、手元にあるのは爆発の最中掴んできた自分のデイパックだけ。 まさに頼れるのは己の身のみ。 それでもスバルは諦めようとはしなかった。 たとえどんな厳しい状況でも突破する、それがストライカーだろう。 ――そして静かに戦いの幕は上がろうとしていた。 【1日目 日中】 【現在地 G-7 デュエルアカデミア エントランス跡前】 【柊かがみ@なの☆すた】 【状態】健康、肋骨数本骨折、3時間憑依不可(バクラ) 【装備】ホテルの従業員の制服、ストラーダ(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、千年リング@キャロが千年リングを見つけたそうです、カードデッキ(王蛇)@仮面ライダーリリカル龍騎、サバイブ“烈火”(王蛇のデッキに収納)@仮面ライダーリリカル龍騎 【道具】支給品一式×2、Ex-st@なのは×終わクロ、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ランダム支給品(エリオ0~2)、レヴァンティン(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、カードデッキ(ベルデ・ブランク体)@仮面ライダーリリカル龍騎、柊かがみの制服(ボロボロ)、スーパーの制服、ナンバーズスーツ(クアットロ) 【思考】 基本:死にたくない。なにがなんでも生き残りたい。 1.バクラ以外の何者も信じない(こなたやつかさも)。 2.スバルを殺した後で映画館に向かう。 3.万丈目に対する強い憎悪。万丈目を見つけたら絶対に殺す。 4.同じミスは犯さないためにも12時間という猶予時間の間に積極的に参加者を餌にして行く。 5.メビウス(ヒビノ・ミライ)を警戒。 【備考】 ※デルタギアを装着した事により電気を放つ能力を得ました。 ※一部の参加者やそれに関する知識が消されています。ただし何かのきっかけで思い出すかもしれません。 ※「自分は間違っていない」という強い自己暗示のよって怪我の痛みや身体の疲労をある程度感じていません。 ※周りのせいで自分が辛い目に遭っていると思っています。 ※Lは自分の命が第一で相手を縛りあげて監禁する危険な人物だと認識しています。 ※万丈目の知り合いについて聞いたが、どれぐらい頭に入っているかは不明です。 ※王蛇のカードデッキには未契約カードがあと一枚入っています。 ※ベルデのカードデッキには未契約のカードと封印のカードが1枚ずつ入っています。 ※「封印」のカードを持っている限り、ミラーモンスターはこの所有者を襲う事は出来ません。 ※変身時間の制限にある程度気付きました(1時間~1時間30分程時間を空ける必要がある事まで把握)。 ※エリアの端と端が繋がっている事に気が付きました。 ※こなたとつかさの事は信用しないつもりですが、この手で殺す自信はありません(でもいざという時は……)。 ※千年リングを装備した事でバクラの人格が目覚めました。以下【バクラ@キャロが千年リングを見つけたそうです】の簡易状態表。 【思考】 基本:このデスゲームを思いっきり楽しんだ上で相棒の世界へ帰還する。 1.かがみをサポート及び誘導して優勝に導く。 2.万丈目に対して……?(恨んではいない) 3.こなたに興味。 4.可能ならばキャロを探したいが、自分の知るキャロと同一人物かどうかは若干の疑問。 5.メビウス(ヒビノ・ミライ)は万丈目と同じくこのデスゲームにおいては邪魔な存在。 6.パラサイトマインドは使用できるのか? もしも出来るのならば……。 7.かがみが自分の知るキャロと出会った時殺しそうになったら時間を稼いで憑依してどうにかする。 【備考】 ※千年リングの制限について大まかに気付きましたが、再憑依に必要な正確な時間は分かっていません(少なくとも2時間以上必要である事は把握)。 ※キャロが自分の知るキャロと別人である可能性に気が付きました(もしも自分の知らないキャロなら殺す事に躊躇いはありません)。 ※千年リングは『キャロとバクラが勝ち逃げを考えているようです』以降からの参戦です。 ※かがみのいる世界が参加者に関係するものが大量に存在する世界だと考えています。 ※かがみの悪い事を全て周りのせいにする考え方を気に入っていません(別に訂正する気はないようです)。 【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康、全身にダメージ小、若干の不安、軽い混乱 【装備】なし 【道具】支給品一式(一食分消費)、スバルの指環@コードギアス 反目のスバル、炭化したチンクの左腕、チンクの名簿(内容はせめて哀しみとともに参照) 【思考】 基本:殺し合いを止める。できる限り相手を殺さない。ルルーシュを守る。 1.かがみを止める。 2.ルルーシュに無茶はさせない、その為ならば……。 3.こなたを守る(こなたには絶対に戦闘をさせない)。 4.アーカード(名前は知らない)を警戒。レイにも注意を払う。 5.六課のメンバーとの合流とつかさの保護。しかし自分やこなたの知る彼女達かどうかについては若干の疑問。 6.もしも仲間が殺し合いに乗っていたとしたら……。 【備考】 ※質量兵器を使う事に不安を抱いています。 ※参加者達が異なる時間軸から呼び出されている可能性に気付きました。 ※仲間(特にキャロやフェイト)がご褒美に乗って殺し合いに乗るかもしれないと思っています。 ※自分の存在がルルーシュの心を傷付けているのではないかと思っています。 ※ルルーシュが自分を守る為に人殺しも辞さない及び命を捨てるつもりである事に気付いています。 でもそれを止める事は出来ないと考えています。また、自分が死ねばルルーシュは殺し合いに乗ると思っています。 ※ルルーシュの様子からデュエルアカデミアから出て行ったのはシャーリーだと判断しています。 ※自分に割り振られた調査エリアを調べ終えました。何かを見つけたか否かは後続の書き手さんにお任せします。 ※万丈目とヴァッシュが殺し合いに乗っていると思っています。 ※アンジールが味方かどうか判断しかねています。 ▼ ▼ ▼ 時として人は個人の思惑が錯綜する事で思わぬ結果を生む事がある。 またその影響で誤った道を進む者が現れたとしても責める事は出来ない。 なぜならそれを選び取ったのは他ならぬその者自身なのだから。 そして往々として人はそれが正しいものであると信じこもうとする。 だからありきたりな説得程度では戻る事など不可能だ。 坂を転がり始めた球が止まれないように。 いきなりは変われない。 【チンク@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】 【全体備考】 ※デュエルアカデミアはもう一度強い衝撃を与えれば倒壊する可能性が高いです。 ※チンクが持っていたデイパックと支給品一式(共に高確率で使用不能)は砲撃の影響でバラバラになりました。 ※翠屋のシュークリーム@魔法少女リリカルなのはA sは完食しました。 ※チンクの死体はバニースーツとシェルコートと一緒にベノスネーカーに喰われました。 ※スバルのはちまきと救急箱は一連の騒ぎの中で紛失・使用不能となりました。 ※ギアスの持続時間は2時間でした。 ※以下のものが【G-7 デュエルアカデミア エントランス跡付近】に散らばっています。 料理セット@オリジナル、被験者服@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪×2(フェイト(StS)、ナイブズ)、大剣・大百足(柄だけ)@魔法少女リリカルなのはsts//音が聞こえる、ルルーシュの右腕 Back いきなりは変われない(前編) 時系列順で読む Next Nightmare of Shirley(前編) 投下順で読む Next Nightmare of Shirley(前編) ルルーシュ・ランペルージ Next Nightmare of Shirley(前編) スバル・ナカジマ Next 想いだけでも/力だけでも チンク GAME OVER 泉こなた Next Nightmare of Shirley(前編) 早乙女レイ Next Nightmare of Shirley(前編) 柊かがみ Next 想いだけでも/力だけでも